■信頼関係を深めるため大きなテーマ

シンポジウムの様子 |
農法研究会は生産者どうしが事例を報告し合い、情報を共有することで、パルシステム産直のレベルアップを目的とするものです。今回は、農薬削減と品質向上をテーマに実践事例の報告とパネルディスカッションを行いました。
冒頭、パルシステム生産者・消費者協議会(パルシステム生消協)の香取政典代表幹事(佐原農産物供給センター代表理事)は「パルシステムの産直において、生産者と消費者の信頼関係がなければなにもはじまりません。その意味でも、農薬削減と品質向上は大きなテーマです。大いに議論し、見つかった課題を乗り越えてください」とあいさつしました。
■新ルールと連絡体制で改善も
報告は、パルシステム連合会の渋澤温之商品開発本部長による「農薬削減プログラム」の見直し経過と、青果流通子会社ジーピーエスの島田朝彰取締役による品質向上の改善事例が紹介されました。
農薬削減プログラムは、科学的知見に基づき人体への影響や自然環境負荷の軽減などをめざし、見直しを検討しています。青果の品質向上は、産地とジーピーエスが協力し、新たなルールの設定や連絡体制の強化などを実施することで、改善しています。
■ディスカッションはそれぞれの立場から
シンポジウムは、生産、消費、流通のそれぞれの立場からパネリストとして参加し、品質向上について議論しました。野菜部会の毛利嘉宏さん(野菜くらぶ)と果樹部会の雨宮政彦さん(山梨御坂くだもの倶楽部)は、それぞれチェック体制の強化や包装の改善など事例を紹介しました。
また、島田取締役は入荷後の青果のチェック状況などを説明しました。消費者を代表したパルシステム生消協・高野祐子副代表幹事(パルシステム福島理事)は「店であれば商品を見て買えますが、届いたものに意見を言えるのが生協です。こうして相互の意見を知ることが、産直のつながりにもなっているのではないでしょうか」と提起しました。
最後にまとめとしてパルシステム生消協顧問の谷口吉光・秋田県立大学教授は「生産者と消費者が一体となって議論できる組織は、全国に類をみません。産直にとって品質向上は解決すべき重要課題です。安全・安心だけでなく、見た目や味についても幅広い消費者から支持されることを追求していく必要があります」と話しました。
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