
調印式後握手する各団体の代表 |
■魚津漁協、全漁連との3者で締結
パルシステムでは、2009年に「水産方針」を定め、水産品の産直を進めています。産直提携はこれまで、北海道野付漁協や沖縄県恩納村漁協などと締結してきました。それぞれの産地とは、青果や肉の産地と同様、組合員との交流や周辺環境に配慮した持続可能な漁業をめざし、連携しています。
魚津漁協との産直協定は、水産品では8カ所目、本州の産地では初の締結となります。協定書の調印式は11月5日(火)、魚津市内のホテルグランミラージュで開催され、魚津漁協と全国漁業協同組合連合会(全漁連)、パルシステム連合会の3者から関係者12名が参加して行われました。
■加工業者、大学と連携し工場を運営

地域の加工業や大学と連携する加工場 |
産直協定を結ぶことになった魚津漁協は、蜃気楼(しんきろう)の町として全国に知られます。環境負荷の少ない定置網が中心で、パルシステムではほたるいかや白えび、いなだなどを取り扱っています。
また、2006年には、県内の水産加工業者とともに有限責任事業組合を設立し、食品加工場を運営しています。富山県立大との連携により、地域ぐるみでの産業振興を実現しています。女性部を中心とした消費者との交流も活発で、朝市で提供する定食は、それを目当てに他県からの訪問者があるなど地域観光の名物にもなっています。
■植樹やアマモ場保全で持続可能めざす

植樹などを通じ「水の循環」をめざします |
後継者の育成については、中学校2年生を対象にした県の職場体験制度「14歳の挑戦」に参加しているほか、新規就職希望者を対象に「漁業担い手体験講座」を開催し、世襲に頼らない漁業者確保、人材育成に挑戦しています。
環境保全活動は、魚介類の産卵、保育などの機能をもつ「アマモ場」の保全活動や、河川周辺での植樹活動などを積極的に進め、川上から沿岸部にかけた総合的な生育環境の整備を行っています。
調印式後、参加者は工場やアマモ場、植林地域などを視察し、魚津漁協の活動を確認しながら、今後の産直による連携の可能性について意見交換しました。魚津漁協の魚崎忠雄組合長は「漁協にとって産直協定の締結は、画期的なことです。責任も感じますが、協定を励みによりよい商品づくりに努力していきます」と話しました。

活気ある市場も衛生管理を徹底 |

生態保全の役割を果たすアマモ場 |

活動が活発な女性部のみなさん |

女性部手作りの「魚津産直会議御膳」 |
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