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掲載日:2013年6月10日

学習会「福島原子力発電所事故のヤマトシジミへの生物学的影響」
長期低線量被ばくのチョウへの影響は
パルシステム連合会は6月6日(木)、東京・新宿区の東新宿本部で学習会「福島原子力発電所事故のヤマトシジミへの生物学的影響」を行いました。大瀧丈二・琉球大学准教授を講師に迎え、福島第一原発事故以降のチョウのモニタリング研究結果から、長期低線量被ばくについて学びました。

■ヤマトシジミは小型のチョウ

大瀧丈二・琉球大学准教授

 パルシステム連合会は6月6日(木)、東京・新宿区の東新宿本部で「福島原子力発電所事故のヤマトシジミへの生物学的影響」の学習会を開催し、役職員などおよそ50名が参加しました。

 「福島原子力発電所事故のヤマトシジミへの生物学的影響」は、大瀧丈二・琉球大学理学部海洋自然学科准教授による研究プロジェクトです。2011年の福島第一原子力発電所事故直後から、チョウ目・シジミチョウ科のチョウの一種であるヤマトシジミのモニタリングを続け、2012年8月に発表された研究報告は国内外から大きな反響を得ています。

 大瀧氏によると「ヤマトシジミは小型で色模様の判別がしやすいなど色模様研究のモデル生物として、また北海道以外の日本全国に分布し地面付近で生活するなど環境指標生物としても適している」そうです。当日は、実際にパルシステム連合会・本部付近の公園(東新宿)で採取したばかりのヤマトシジミを持参されていました。


■「長期低線量被ばく」による生物的影響

東新宿で採取されたヤマトシジミ

 本研究は、そもそも東日本大震災以前よりヤマトシジミの色模様変化などの研究をしてきた大瀧氏が、放射性物質拡散の影響についても調べ始めたのがきっかけです。福島県はもとより国内各所からヤマトシジミや餌であるカタバミのサンプリングを行い、また実際に研究室のある沖縄県で飼育するなどして「長期低線量被ばく」による生物的影響を結果としてまとめられました。

 これまでの研究からは、成長の遅延や形態異常、そして異常形態の遺伝といった次世代への影響も確認されています。たとえば捕獲したヤマトシジミのこどもの羽化までの日数が、福島第一原発に近いほど長くなり体長も縮小する「成長遅延」がみられ、通常「ゆっくり育つと大きくなる」傾向とは真逆の結果が出ています。

 また沖縄で生まれたヤマトシジミに、福島県内各地と西日本で採取したカタバミを与え、沖縄で飼育した「内部被ばく実験」では、放射線量に依存して触覚、複眼、脚や色模様などに形態異常がみられ、生存率も低下することがわかりました。

 今後はDNAレベルの損傷を調べる遺伝子解析(ゲノム・プロジェクト)についての展望も語られました。原発事故直後からの長期にわたる生物モニタリング研究はあまり存在していません。研究の継続が期待されます。


ゲノム・プロジェクトのための寄附(大瀧研究室)

パルシステムのエネルギー政策





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