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掲載日:2013年5月24日

学習会「うなぎの生態と資源保護」開催
資源を守ってうなぎを食べるには
パルシステム連合会は5月21日(火)、東京・新宿区の東新宿本部で学習会「ウナギの生態と資源保護」を開催しました。九州大学大学院の望岡典隆准教授を招いて解明が進むうなぎの生態を学び、「食べながら資源を保全する」ことの可能性を探りました。

■4年連続で減少するシラスウナギ

うなぎの持続可能性を学びました

 パルシステム連合会は5月21日(火)、東京・新宿区の東新宿本部で学習会「ウナギの生態と資源保護」を開催し、役職員など80人が参加しました。九州大学大学院でうなぎの生態を研究する望岡典隆准教授を招き、うなぎの生態と今後の資源保護のあり方を学びました。

 うなぎは、海で産卵、ふ化し、河川で成長する生物です。そのため、比較的身近な河川で産卵、ふ化するさけなどと異なり、生態が解明されにくいといわれています。うなぎの養殖は、海でふ化してから海流によって近海に流れ着いたシラスウナギを採捕し、成育させます。うなぎ資源は1970年代から急速に減少し、特にこの4年間は連続して前年を割り込みました。

 望岡准教授は、うなぎ資源が減少している理由について「シラスウナギの過度な漁獲のほか、生息地である河川の環境悪化、海流など地球規模の海洋環境の変化も考えられます」と述べました。今年2月にはニホンウナギが環境省のレッドリスト(絶滅危惧種)に指定されましたが「生態が解明されず『情報不足』とされていたためです。『日本での保全が絶滅を防げる』ことが分かったからこそ、リストに記載されたともいえます」と解説しました。


■生産県で始まっている保全活動

望岡九州大准教授

 続いて望岡准教授は、これまでの研究成果について、当時のエピソードを交えながら紹介し「数千kmを回遊するうなぎを守ることは、地球環境を守ることでもあるのです」とうなぎ資源を保全することの重要性を指摘しました。

 国内のうなぎ生産県では、すでに資源保護の動きを強めています。一大生産地の鹿児島県や愛知県などでは、シラスウナギの禁漁期を設け、シラスウナギの乱獲を防いでいます。さらにうなぎの生息域を守るため、伝統漁法を活用したコストの低い河川整備も実験が進んでいます。

「うなぎを食べないことが、資源保護になるのでは」との意見に対しては「漁業者からすれば、漁ができるから増殖の義務を負います。縄文期から続く食文化をなくすのではなく、多くの人々がかかわって適切に利用し、持続可能な体系をつくるべきではないでしょうか」と提起しました。


■食べ続けていくために産地と連携

産卵して稚魚が戻ってくることを願い、育てたうなぎを放流しています

 パルシステムでは2002年から、産直産地の大隅養まん漁協(鹿児島県)とうなぎの放流事業を実施してきました。4月には両者で「大隅うなぎ資源回復協議会」を設立し、継続的な資源保護に取り組んでいます。また、鹿児島県と県内のうなぎ関連団体で構成する「鹿児島県ウナギ資源増殖対策協議会」に消費者団体の代表として参加し、うなぎ資源保護の対策に参加しています。

これらの活動の支援を目的に、パルシステムでは7月から売り上げの一部を賦課金として拠出するほか、「ニホンウナギの資源回復のためのポイントカンパ」の募集が始めます。賦課金とポイントカンパは「大隅うなぎ資源回復協議会」「鹿児島県ウナギ資源増殖対策協議会」を通じて、うなぎの放流事業やうなぎの住みやすい河川の整備事業、乱獲および密漁防止の広報事業などに役立てます。


【参考】

大隅養まん漁協でうなぎの放流を実施(産直いきいきコミュニティ内)

「大隅産うなぎ蒲焼」(パルシステムの商品)




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