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掲載日:2013年1月29日

「第20回農法研究会」を開催
農薬削減と放射能低減テーマに情報共有
パルシステム連合会は1月16日(水)、東京・港区のヤクルトホールで「第20回農法研究会」を開催しました。農法研究会では、農薬削減や放射能低減対策の取り組みが紹介され、参加したおよそ280名の関心を集めました。

■農薬を削減しながら収量安定

報告の様子

 農法研究会は生産者どうしが事例を報告し合い、情報を共有することで、パルシステム産直のレベルアップを目的とするものです。今回は、農薬削減および放射能低減をテーマに4産地が報告しました。

 農薬削減への取り組みとチャレンジについては、JAささかみの江口聡さんとジョイファーム小田原の鈴木信之さんが、それぞれ紹介しました。

 JAささかみは、1987年パルシステムからの農薬使用の実態調査や、農薬を使わない稲作技術構築のための実験ほ場設置の申し入れを受け、特別栽培米制度を利用した減農薬栽培の取り組みを開始しています。種もみの湯温消毒、良質なたい肥「ゆうきの子」を使用した土づくりなどが、全域でが広がっています。異常気象下でも収量品質が安定していることも長年の取り組みのなかで実証されています。

 ジョイファーム小田原の鈴木さんは、除草剤一切使用禁止、肥料は100%有機肥料使用徹底などについて、日々の農作業での実体験を交えながら説明しました。腰丈くらいになる草を年に5回は草刈りするため草刈り機の振動で白ろう病になりそうなことや、肥料の記録には領収書の添付を徹底することなどを紹介しました。また、病害虫や裏年の対処には選定技術や樹を休めるなど工夫を行っています。目下の苦労は、日々の闘いとなっているいのしし被害。対策があれば教えてほしいとのことでした。


■長く厳しい戦い続く放射能対策

 続いて、ふくしま梨ネットの舟窪満さんとJAみどりのの伊藤成公さんが、放射能低減の取り組みを報告しました。

 ふくしま梨ネットの舟窪さんは「大切に育ててきた梨の樹が放射能に汚され、生きていくための糧が奪われ絶望状態のなか、パルシステムの組合員が購入し応援してくれました。多くの感動と元気と勇気をもらいました」と話しました。期待にこたえるため生産者のみなさんは、すべての樹と畑を可能な限り除染し、これからも梨を続けていくことを決心したそうです。

 除染は畑などの農地には行政は一切かかわらないため、自分たちでまずは畑と樹の現状を知ることから始めました。その後、方法をいろいろ工夫しながら進め、樹については7〜9割低減しました。

 JAみどりのは、2012年にパルシステム米を作付けするすべてのほ場で低減対策を行いました。塩化カリ肥料と鶏糞燃焼灰を施用し、パルシステムからの震災復興基金848万円とても助かったとのことです。伊藤さんは「今後も長い闘いになるでしょう」と話し、これからも最大限の努力をしていくことを約束しました。

 最後に高橋部長は「安全・安心は生産者と消費者がいっしょになってつくりあげていくものだということを、精一杯伝えてもらいました。今後も公開確認会や産地交流などの取り組みを進めながら、生産者と消費者が相互に刺激しあう循環をつくりあげていきたいと思います」と語りました。


【報告の詳細】

◇ 農薬削減への課題とチャレンジ

産地 報告者 報告内容
JAささかみ(新潟県) 江口聡さん ささかみ地域では「有機の里」宣言を行い、1988年から農薬実態調査に基づいた特別栽培に挑戦しています。
農薬を使用しない技術体系の共有や、良質なたい肥による土作りを基本に有機循環型の農業に取り組んでいます。課題は、高齢化と異常気象への対応なのです。
ジョイファーム小田原
(茨城県)
鈴木信之さん 柑橘類の栽培における最も重労働は草取りです。除草剤を使用しないことに、誇りを持っています。農薬は慣行栽培の半分以下に制限し栽培し、肥料は有機100%を目指しています。
また、病気と闘いによる農法技術や、自然豊かな環境ゆえ動物に悩まされていることが課題です。

◇ 放射能低減への取り組み

産地 報告者 報告内容
ふくしま梨ネット(福島県) 舟窪満さん 畑と樹の現状を知ることから開始し、放射性物質の濃度を確認しながらそれに応じた対策を練りました。高圧洗浄機による樹皮剥離や、粗皮削り鎌による樹皮剥離などを実施しています。
樹においては、除染効果が確認できました。今後は手付かずになっている土壌への課題整理から始めます。
JAみどりの(宮城県) 伊藤成公さん 水田では、土壌中の塩化カリウムが少ないと稲がセシウムを多く吸収すると考えられ、塩化カリウムと鶏ふん燃焼灰を土壌に散布しました。
パルシステムの震災復興基金も活用し、予算化と計画化を行い、生産者の負担減で米作りに集中する環境を整えることができました。


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