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掲載日:2012年11月19日

講演会「今なぜ生活支援が必要なのか」を開催
貧困の実態と生協による支援事業の可能性
パルシステム連合会は生活サポート生協・東京と共同で11月13日(火)、東京・新宿区の東新宿本部で講演会「今なぜ生活支援が必要なのか」を開催しました。生活再建事業を実践するグリーンコープ連合の行岡みち子常務理事を招き、生活再生事業の必要性について学びました。

 パルシステム連合会と生活サポート生協・東京は11月13日(火)、東京・新宿区の東新宿本部で講演会「今なぜ生活支援が必要なのか〜グリーンコープ生活再生事業の経過と実践」を開催し、組合員や役職員40名が参加しました。


■「自己責任」ですまない社会状況の変化

参加者の関心の高さがうかがえた会場

 グリーンコープ連合が九州で取り組む生活再生事業は、協同組合型の共助を基本とした民間セーフティネットとして大きな注目を集めています。学習会は行岡みち子常務理事を招き、経緯や現状を聞きながら、生活再生事業の意義と今後の「くらしの安全・安心」のあり方を考えました。

 行岡常務はまず、生活再生事業を開始するきっかけとなったホームレスをめぐる状況に触れました。「単なる『ハウスレス』でなく家族や地域との関係性が崩壊し、孤独な存在になっていました。要因は経済的なものが多く、勤務先の経営悪化などで住宅ローンや子どもの学費が払えなくなり、徐々に追い詰められる人が増加していました」と経緯を説明します。

 実際、自己破産する人数とホームレス人数の推移をみると、数値が見事に連動しています。また、増加している自殺者数と、そのうち経済的理由と判明した数も同様です。行岡常務は「これはもはや『自己責任』でなく、社会的状況の変化によるものです。生協の役割は『多重債務者というホームレスへの入り口をふさぐこと』だと考えました」と説明しました。


■寄り添う支援で貸し倒し防ぐ

行岡常務

 福岡県で2006年に開始した生活再生事業は現在、相談事業、貸付事業、金銭教育事業、消費生活支援事業の4事業を手がけています。相談事業では法的救済を最優先としながら、貸付が必要と判断した場合に融資を行います。貸付時に家族が同席したり、貸付後も定期的に面談したりすることなどで相談者を尊重し、寄り添った支援を可能としています。

 福岡県では、2011年度実績で2,054件の相談を受けました。そのうち面談した件数は1,229件で、900件の貸付希望に対し265件に貸し付けています。これまでの貸付は903件、5,800万円におよびますが、回収できなくなる貸倒金額は貸付全体の1%にも満たないそうです。「相談内容は、ほとんどが生活費や教育費です。近年は、相談だけで解決できない案件が増えています」と話しました。

 相談者の傾向については「相談件数が増加する中で、無職や定時労働者の割合が高まっています」と語り、就労支援の必要性を示唆しました。また、金銭管理教育の必要性についてたびたび触れ、親子で参加できる金銭教育事業の実践例なども紹介しました。


■リーマンショックで「くらしの底抜けた」

 続いて、生活サポート生協・東京の活動について志波早苗職員が報告しました。生活サポート生協・東京は「くらしの相談ダイヤル」を運営し、パルシステム組合員を中心に相談を受けています。くらしの相談ダイヤルでは、2008年のリーマンショックから組合員からの生活困窮相談が増えており、2011年の東日本大震災以降は、精神的な不安定さを感じさせる相談も増加しています。

 志波職員は「『年越し派遣村』が大きく報道された2008年末あたりから『くらしの底が抜け始めた』と実感しています」と話しました。2011年度に受けた653件の相談のうち、380件が分類できない「その他」に分類されています。経済的な生活困窮や精神不安定、「身の丈」にあった生活を送れないといった生活スキルの不足などが要因の「一般的な消費生活の範ちゅうに入らない相談」が増えています。

 そのため、くらしの相談ダイヤルだけでは解決できない内容も多くなっています。志波職員は「組合員が活動している地域のNPOなどと幅広く連携する必要性を感じています。社会的弱者が生きにくい社会はあってはならないのではないでしょうか」と協力を呼びかけました。

 質疑応答では「貸付の原資となっている基金のしくみを教えてください」「貸付金の高い回収率はどう実現しているのですか」など、具体的な質問が飛び交い、参加者の関心の高さをうかがわせました。




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