■地域や家庭を守る女性によるネットワークを

全国から女性生産者が集まりました |
会場には、全国の産直産地から集まった約80名の女性生産者とパルシステム関係者ら総勢100名が集まりました。ふだん農作業や家事、家族の世話、地域活動などで多忙のみなさんですが、興味深い内容の講演に耳を傾け、同じ生産者、生活者、家庭の守り手どうし、積極的に意見交換を行いました。
開会に際し香取政典代表幹事(千葉県・佐原農産物供給センター代表)は「交流会を参考に、生産物を元気よく組合員の台所へ届けるしくみを自分たちなりにアレンジできるよう、考えてみてください」と期待、パルシステム連合会の原秀一常務は「家庭や地域、そして父ちゃんたちを守っているのは女性です。気軽に相談し合えるような関係を全国に広げてください」とねぎらいました。
■変化する食生活に対応するには

納口筑波大教授 |
講演「女性の感性を活かした農業のあり方について」では、「実家は小田原のみかん農家。私の身体はパルシステムでできているくらいのヘビーユーザー」という納口るり子・筑波大教授が、食と農をめぐる状況の変化、女性の感性と食・農サービス、女性の感性を活かした取り組み事例などを紹介しました。
食の変化については、「昭和35年位から米の消費が減り続け、現在半分くらい。食の外部化と、食事作りの時間短縮の傾向が目立ちます。朝食を作る時間は『10分』が42%。コーヒーいれてパンを焼いておしまいくらいの時間です」と紹介。「夕食も40分以内が4割で、食のシビアな現状が見えてきます。米の消費が減ったことと関係あるのではないでしょうか」と述べました。
■女性が農業、農村を再構築する

話に花を咲かせました |
「女性の感性を活かす」では、各種の事例を引き合いに女性能力のすぐれた点について言及しました。納口教授の考える「女性能力のすぐれた点」は(1)共感力(2)コミュニケーション力(3)経済よりも総合的な尺度を持つ(4)男性中心の社会に多様性を与えられる――です。納口教授は女性を中心とした農業、農村の再構築の必要性を説き「生産者と消費者の両者が、楽しく豊かで健康になるくらし方を考えましょう」と呼びかけました。
講演後、各テーブルでは女性の感性と農業について話を深めました。「農業民宿や農業レストランなど、やってみたいとは思うが、手一杯で余裕がない」「父ちゃんがでしゃばんな!って言うんだよ…」など、それぞれの事情などが率直に話題に上りました。なかには、組合員の産地訪問が減少し、危機感を持つ生産者、組合員の理解を深めるにはどうしたらよいかに悩む女性生産者もいました。
2日目は、各会員生協の会場へ分かれて生産者が訪問し、女性どうしで組合員との交流を深めました。
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