パルシステム連合会は震災後、被災地へさまざまな支援を続けています。震災から1年半が経過しましたが、福島第一原発周辺の市町村の住民ではいまだに避難生活を余儀なくされています。現状と今後の課題を知るため8月20日(月)、井戸川克隆双葉町長と佐藤利昭さいたまコープ理事長を招き、講演会を開催しました。
■支援の輪の広がりを訴えました

さいたまコープ 佐藤利昭理事長 |
多くの双葉町町民が避難している埼玉県で炊き出しや交流支援などを続けているさいたまコープの佐藤理事長は、これまでの取り組みの経過と支援を続けて行くことの大切さを訴えました。終わりのみえない避難生活や、国や県の対応が遅い現状のなか、支援について特に重要な3つの項目を述べました。
- 多くの組織がかかわりを持つようにし、活動(運動)の広がりを持たせること
- 活動(運動)の積み重ねが大事なこと
- 若い人がなるべく多く関わること
■政府や県の対応、情報開示の不足

講演する井戸川克隆町長 |
井戸川町長は、震災からこれまでの経過について、避難時と行政への要望と分けて説明し、現在の福島県内、および放射能汚染による日本全国の汚染状況レベルなど資料を元に説明しました。事故直後は放射能拡散範囲が開示されず、内部被曝の影響も調査しようとしていないことなどを指摘しました。
さらに、チェルノブイリでは年間放射線量20ミリシーベルト未満で強制避難ゾーンとなるのに対して、福島では避難指示解除準備区域になっていること、また、5ミリシーベルト以上であれば、チェルノブイリでは移住の義務ゾーンであるのに対して、福島では居住可能としていることも問題だと述べています。
震災直後からこれまでの政府の対応、そしてさまざまな情報が開示されていない事実が国民に知らされないうちに重要な法案などが決まってゆく現状を説明し、国民自身が監視する視点を持っていかねばならないことを訴えました。
■原子力発電所再稼動について
最後に原発再稼働について触れ「原子力発電所の事故は、周辺一帯に今後住めないほどの汚染をもたらしました。自治体は、国から得たものよりも失ったもののほうがはるかに大きかったと感じます。事故の教訓を今後に生かすべきです」と訴えました。
|