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掲載日:2012年5月22日

「2012年シャボン玉フォーラムin東京」を開催
「いのちを豊かにつないでいく」ためにできることを考えました
5月18日(金)、19日(土)の2日間、東京・大田区でパルシステム東京が受入れ団体、パルシステム連合会が協力団体となり「2012年シャボン玉フォーラムin 東京」を開催しました。生物多様性を基調とした講演やシンポジウムを通じ、「いのちを豊かにつないでいくためにできること」を考えました。

■2日間で約1,100名が集まりました

大迫力の池上太鼓のパフォーマンス

 5月18日(金)、19日(土)の2日間、大田区の大田区民ホール、大田区産業プラザなどを会場に「2012年シャボン玉フォーラムin 東京」が開催されました。パルシステムグループからは、パルシステム東京が受入団体、パルシステム連合会が協力団体として参加しました。会場には組合員や主催団体関係者などおよそ1,100名が参加しました。

 主催の協同組合石けん運動連絡会(協石連)は、いろいろな生協や漁協が加盟して30年にわたる石けん運動を進めてきました。石けんを使うことで、日々のくらしに最も密着した視点から世の中のあり方を考え、変えていくきっかけとなっています。

 2012年のメインテーマは「いのちを豊かにつないでいく」。石けんを切り口に「命の水・大気・大地」を守るため、私たちに何ができるのか、様々な講師やパネラーを招き、学びと交流のイベントを実施しました。


■このフォーラムで学び考え、みんなで日本を変えていこう

吉田由美子代表幹事のあいさつ

 地元の池上太鼓の演奏による大きな拍手で幕が上がったフォーラムは、パルシステム東京・星野ゆき路常任理事の宣言によって開会しました。主催者側を代表し、協石連の吉田由美子代表幹事は「石けん運動に込められた意味を改めて考える機会として、シャボン玉フォーラムがあります。お互い刺激し合い、学び合い、吸収し合ってください」とあいさつしました。

 続いて実行委員会の小山志保子実行委員長が「石けんというくらしに最も密着した視点は、世の中のあり方を考るきっかけとなり、問題を正す大きな力となるはずです」、パルシステム東京の吉森弘子理事長が「日本の環境運動の大きな節目の年にしていくその決意を共有する2日間にしていきましょう」とそれぞれ述べました。


■もっとも深刻な地球環境問題「生物多様性の損失」

基調講演で話す鷲谷教授

 基調講演では、東京大学保全生態学研究室の鷲谷いづみ教授が「生物多様性と農業と原子力災害」をテーマに話しました。人類にとっての地球環境問題は、温暖化や海洋の酸性化などさまざまありますが、鷲谷教授は「地球環境問題の総決算ともいえるのが生物多様性の損失であり、もっとも深刻化しています」との見解を示しました。

 また鷲谷教授は、この問題には農業の変化に由来する点が非常に大きいと考えています。大規模な農地開発や農薬、化学肥料の多用などにより、生物多様性の低下や生態系のはたらきの劣化が起こっています。鷲谷教授は「持続可能性の視点から、今の我々の世代にこれを見直すことがとても重要で、生物多様性はそのためのものさしになります」と提言しました。

 次に、持続可能性については「後の世代を慮ることが重要な点で、彼らの負担になることや、選択肢をなくすようなことをしてはいけないというモラル」と捉え、「種の絶滅など生物多様性の損失は、その恵みを受ける可能性を失わせます。生物多様性の保全と持続可能な利用を努力しなければなりません」と訴えました。また、「核廃棄物など大きな負担になる負の遺産を残さないために、原子力利用の見直しが人類の重要な課題になります」とも述べました。


■さまざまな視点から見る生物多様性

シンポジウムに参加したパネラーの5名

 続いて、「生物多様性保全」というテーマでシンポジウムが行われました。パネラーがそれぞれの立場から「生物多様性保全」に対する取り組みと思いを発表しました。パネラーはぶくぶく農園の桑原衛氏、福島県耶麻郡西会津町・喜多方市山都町・チャルジョウ農場の小川光氏、宮城県大崎市田尻総合支所長の西澤誠弘氏、イネ科花粉症を学習するグループの中山啓子氏、そしてパルシステム連合会産直推進部の高橋宏通部長の5名です。コーディネーターは基調講演を行った鷲谷教授が務めました。

 桑原氏は、バイオガスプラントの設置など、行政に頼らずに自分たちのエネルギーを自分たちでつくる試みについて発表しました。小川氏は、ハウスで水をあげず、さらに無農薬でトマトやメロンを栽培する技術を開発しました。「これにより過疎が深刻になっている会津の山間部などで、農業への新規参入を目指す若者が安く畑を手に入れられます」と、地域活性化に役立てたいという思いを述べました。

 西澤氏は、ふゆみずたんぼの取り組みや渡り鳥との共生について説明し「安全・安心だけでなく“+ ストーリーのある米”が消費者に訴える販売戦略になり、農家にとってもプラスになります」と話しました。中山氏は、イネ科花粉症の原因となる外来植物について調査報告しました。「堤防のイネ科植物の花粉が原因で症状が出ている人でも、植物との因果関係を知らない人は多い」と懸念し、実際の江戸川堤防のデータを参考に効果的な除草について説明しました。

 最後に、パルシステム連合会の高橋部長は、生物多様性にむけたさまざまな取り組みがある中で、「石けん運動には生物多様性の取り組みの原点があります」と述べ、「生物多様性の取り組みは、身の回りから一歩踏み出せば、生活の中で手軽にできるもの」だとメッセージを送りました。


■「ふゆみずたんぼ」「放射能対策」など参加者からも意見

 質疑応答では「ふゆみずたんぼと昔の湿田の違い」について質問があり、西澤氏は「基本的には同じですが、ただのぬかるんでいる田んぼといちど乾田にして水を入れるのでは、生き物の生態系が変わります。収穫後に水を入れることで、新たな生き物が増える。後々の作業にも効果的なので、乾田湿田を使い分けています」と答えました。

 また、放射能で汚染された海の調査から不安を抱く男性からは「魚は子どもに食べさせない方がいいのでは」との意見が出ました。これに対し鷲谷氏は、「判断に必要な科学的な情報がほとんどないのが問題です」と述べ、放射性物質が生態系にどういう影響をおよぼすかを研究する専門家がいない点を指摘。「科学的な指針を出すのに十分な研究体制ができていません。それには働きかけが必要です」と話しました。

 翌20日(土)は、区内3会場で6つの分科会が開催され、石けん運動の今後や生物多様性、放射能対策などをテーマに学習し、意見を交換しました。








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