パルシステムが呼びかけ団体となっている「『六ヶ所再処理工場』に反対し放射能汚染を阻止する全国ネットワーク(阻止ネット)」は3月24日(土)、東京・千代田区の日本教育会館にて「六ヶ所再処理工場廃止・脱原発社会の実現に向けて3・11から考える」集会を開催しました。
パルシステムからの関係者80名はじめ、ネットワークに参加する団体から総勢約220名が集まり、反原発の取り組みを盛り上げていくことを確認しました。
■環境エネルギー政策研究所の飯田哲也氏講演

飯田氏の講演の様子 |
開会のあいさつの後、これまでの活動報告がなされました。さよなら原発1000万人アクションで取り組んでいる脱原発の1000万署名活動では、今集まっている約540万筆の署名のうち、阻止ネットでは1割の約50万筆を集め、力強い活動になっています。
その後、環境エネルギー政策研究所所長の飯田哲也氏の講演が行われました。飯田氏は、今の原発の議論の矛盾点を電力の需給問題と原子力のコストの面から指摘しました。
電力が足りないと原発の再稼動を求める声に対しては、需要側管理とピーク対策で対応が可能との見解を示しました。さらに原子力のコストの面からは、廃炉費用や使用済み燃料の処理コストのみでなく、保険費用や設備建築コストなどを踏まえれば原子力発電は決して安くないとのことです。
またドイツやスペインなどのヨーロッパ諸国では、再生エネルギーの技術が進んだことでコストの低減がなされており(特に太陽光発電)、充分に採算がとれるようになったことで「第4の革命」といわれるエネルギー革命が進んでいる事例をデータとともに説明しました。環境エネルギー政策研究所が発表した、現実的かつ実効的な原子力政策への処方箋「原子力版船中八策」についても説明がなされました。
■今後の活動の提起もなされました
最後に、あいコープみやぎ生協の多々良哲専務理事が2012年の活動を提起しました。多々良専務は「反原発の運動は、いまこそ力量を問われています。六ヶ所再処理工場の完成とエネルギー基本政策計画の策定が予定されるこの秋に向けて、改めて反原発に力を合わせていきましょう」と話し、以下の活動が提起されました。
阻止ネット2012年度の活動提起
- さよなら原発1000万人アクションに参加しよう
- 市民のロビー活動を全国で展開しよう
- 六ヶ所再処理工場の廃止を実現しよう
- 生産者と被災地と、連帯しよう
- 脱原発・エネルギー政策の転換を目指す他団体、様々な市民グループと情報を共有し、連帯して運動を進めていこう
■脱原発集会とパレードに合流
集会終了後、参加者は東京・千代田区は日比谷野外音楽堂へ移動し「さようなら原発1000万人アクション」による「再稼働を許さない さようなら原発1000万人アクション」集会・パレードに合流しました。
あいにく小雨の降る中での集会となりましたが、全国各地から集まった約6,000名とともに、山本コウタローさんのオープニングのトーク&ライブ、辛淑玉さん、澤地久枝さん、鎌田彗さん、落合恵子さんら賛同人のあいさつ、署名に添えられた手紙の朗読、各地での取り組み報告がなされました。
集会終了後は、パレードに出発。天気も回復し、薄日が差すようになったなか、日比谷公園から東京電力の本社前を通り常盤橋公園までの道のりを約1時間半かけてパレードし、銀座の街を行き交う人々に脱原発を訴えました。

小雨降る中の「さよなら原発1000万人アクション」集会の様子 |

パルシステムのメンバーもパレードに参加 |
【関連リンク】
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【関連資料】
「『六ヶ所再処理工場』に反対し放射能汚染を阻止する全国ネットワーク」(阻止ネット)
2007年、パルシステム連合会のほか、生活協同組合あいコープみやぎ、グリーンコープ共同体、生活クラブ事業連合生活協同組合連合会(生活クラブ連合会)、(株)大地を守る会、NPO日本消費者連盟の6の消費者団体が呼びかけ団体となり発足した、648の賛同団体・個人によるネットワーク組織。
「さようなら原発1000万人アクション」
福島原発事故後、内橋克人さん、大江健三郎さん、落合恵子さん、鎌田慧さん、坂本龍一さん、澤地久枝さん、瀬戸内寂聴さん、辻井喬さん、鶴見俊輔さんの9人の呼びかけの下始まった。脱原発の署名1000万筆を内閣・衆参両議会に提出を目標に活動中。全国各地でそれぞれ取組みが行われているが、今回は都内では4回目の集会となった。集まった署名は545万5,846筆。(3月22日現在)
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