本文へジャンプ
ここから上部共通ナビゲーションです
パルシステムのトップへ戻る
パルシステムのトップへ戻るパルシステム加入のご案内トップページへ資料請求する(資料請求フォームが開きます)お問い合わせ一覧ページへサイトマップへ
ホーム > ニュース一覧 > ニュース
ここから本文です

ニュース 目次に戻る



掲載日:2012年3月12日

パルシステム「耕畜連携会議全体会」を開催
震災時にも力を発揮した自給飼料の取り組み
パルシステム連合会は3月3日(土)、東京・新宿区の本部事務所にて耕畜連携全体会議を開催しました。耕畜連携に取り組む全国の産直産地などから関係者が集まり、自給飼料をめぐる環境やそれぞれの事例を共有しました。

会場の様子

 パルシステムでは、日本の農林水畜産業がおかれている現状を踏まえ、産直や100万人の食づくり運動を通して、農林水畜産業の活性化、産地の地域おこしの手助けに積極的に取り組んでいます。パルシステムの産直産地では、飼料の自給率向上のため、地域の未利用資源の活用、また飼料米などの活用を通して飼料の自給率向上、地域での資源循環を進めています。

 現在、パルシステムでは6地域(岩手・秋田・山形・千葉・茨城・九州)で、耕種農家・畜産農家・林業などとの連携による地域資源循環モデルの構築を支援し、耕畜連携を推進しています。


■震災の影響のなか、改めて自給飼料の重要性を認識

 今回で7回目となる耕畜連携会議は、東日本大震災後初めての開催となりました。まず、パルシステム連合会の高橋宏通産直推進部からあらためて耕畜連携会議の目的・意義とこの間のパルシステムの取り組み(放射能対策など)について報告がなされました。パルシステムにおける耕畜連携関連商品の利用状況と、震災の影響もあったなか供給は順調であることを話しました。

 会議にあわせて行われた耕畜連携に対する事前アンケートの報告、耕畜連携会議とあわせて取り組む「飼料流通研究プロジェクト」からの活動報告もあり、現状について情報を共有しました。飼料流通研究プロジェクトからは、「飼料の産直」事業についても報告されました。


■自給飼料の現状についても理解を深めました

講演する岩波氏

 次に、独立行政法人農畜産業振興機構の岩波道生氏を招き「自給飼料をめぐる情勢と今後について」をテーマに、自給飼料を取り巻く現状について理解を深めました。日本の飼料自給率は25%程度で推移しており、食料自給率よりも低くなっています。これが食料自給率を下げる要因になっています。

 岩浪氏はトウモロコシを例に「国際的には新興国の成長を背景に穀物需要は拡大傾向にあります。在庫減少とともに穀物の国際相場は今後も価格が上がっていくでしょう」との見通し述べました。



■各地の事例を学び意見交換しました

 続いてパルシステムの各産地での取り組みついて、各産地より報告がありました。発表内容の概要は以下の通りです。

○ノーザンビーフ協議会【北海道/コアフードの牛肉】

「コア・フードの牛肉は、自給飼料100%で育てています。国が推進しているから自給飼料で育てているわけではなく、組合員の支持があるからです。牛は1頭育てるのに3年半かかります。今年度は原発事故を心配する声もあり、キャンセルも出るなどの影響がありました。商品の物語をきちんと組合員に伝えてほしいと感じます」

○ポークランドグループ【秋田/日本の米豚】

「震災時は、飼料米(実験稼働していた自社飼料用米破砕施設が震災で本格的に稼働)が役に立ちました。12年度は30haの耕作放棄地を開墾した新農場『バイオランド』が稼動予定です。さらに飼料の自給率向上、地域資源循環の取り組みを進めます」

○軽米町産業 【岩手県/までっこ鶏】

「飼料米の取り組みが始まってから、耕作放棄地が田んぼに戻りました。景観がよくなり、ホタルの姿も見えるようになっています。飼料米生産者の意識も高まり、までっこ鶏の鶏糞を活用した地域循環ができています」

地域の取り組みを報告する生産者

○米沢郷牧場【山形県/米沢郷の鶏肉シリーズ】

「もともと自家配合飼料を作るための飼料工場を持っており、  地元遊佐漁協の鮭のあら、酒かす、しょうゆかすなど使った飼 料を作っています。ただビタミン類は輸入のものになってしまうので飼料の自給率は99%です」

○首都圏トントン協議会【千葉県/千葉のこめ豚】

「『パルシステム千葉のこめ豚』は好評ですが、コストは配送などをできるだけ自ら行うことでようやく成り立っているのが現状です。神奈川では、パルブレッドの資源を有効活用した『藤沢のすくすくパン豚(仮名)』が始まります、生で与えていたのを乾燥させたりと工夫を重ねて実現にこぎつけました」

○神奈川中央養鶏 【神奈川県/産直こめたまご】

「常温で保管すると飼料米は夏を越せません。保管方法を工夫し、玄米から籾での保管に切り替えたり流通を変えるなど、常識にとらわれない発想で課題の克服に取り組んでいます」

○薄牧場【福岡県/薄一郎牛】

「02年から始めた取り組みが10年経ちました。今年度は175haで栽培した1,000tの飼料米を利用します。おからや酒かすなど地元の未利用資源も活用して飼料の自給率は約50%まで向上しました」

○JAやさと【茨城県/産直こめ卵・産直卵】

「やさと産の飼料米の配合を12年度は10%から15%に増やす予定です。また、JAみどりのの規格外小麦や花咲農園の規格外大豆(きなこ)も配合しています」


 自給飼料を活用していくにはコスト、流通、肥育への影響などの課題が残ります。しかし、東日本大震災では、物流の寸断、燃料および飼料のひっ迫など、畜産の現場は大きな被害を受けました。そのなかで、耕畜連携に取り組む産地では飼料の融通や免疫力の向上でその影響は軽減されました。パルシステムでは引き続き耕畜連携を進めていきます。


【パルシステム 耕畜連携会議の目的】

1.100万人の食つくり運動と連携して食料自給率向上の取り組みを推進します

2.畜産農家と耕種産地が連携を深め、地域資源循環型農業を推進します

3.畜産産地においては、飼料米をはじめとし自給飼料の導入を進めます

4.耕種産地においては畜糞等の堆肥資源の有効活用を推進します

5.畜産、耕種農家が持っている資源を有効活用し、物語のある商品を開発します





このページの上へ戻る