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掲載日:2011年11月9日

学習会「核燃料サイクルは破綻している」を開催
原子力政策が直面する問題点を学びました
パルシステム連合会は11 月4日(金)、東京・新宿区の東新宿本部にて学習会「核燃料サイクルは破綻している」を開催しました。講師に河野太郎衆議院議員を招き、パルシステムエネルギー政策検討委員会の委員や役職員など44名が参加しました。

■原発事故を受けたパルシステムの取り組み

会場の様子

 東日本大震災に伴う福島第一原発事故発生で、放射性物質が拡散する事態が発生しました。パルシステムグループでは、消費者、生産者がともに「食の安全」を優先する立場から、自主検査の実施やわかりやすい情報の提供などに取り組んでいます。

 また「東京電力福島第1原発の事故を受けた原子力発電とエネルギー政策検討委員会」(パルシステムエネルギー政策検討委員会)を設置しました。2007年に策定した「六カ所再処理工場本格稼動反対及び原子力発電所に対するパルシステムの見解」をさらに深化、発展させます。パルシステムの原子力発電に対する対応およびエネルギーに関する政策を立案するとともに、その政策を具体化、実践化するためのプログラム案を取りまとめる予定です。


■「バラ色の未来」でスタートした原子力政策

 これらの活動の一環として11月4日(金)、パルシステム連合会東新宿本部にてパルシステムエネルギー政策検討委員会主催による学習会「核燃料サイクルは破綻している」を開催しました。委員のほか組合員、役職員など44名が参加し、自由民主党の河野太郎衆議院議員を迎えて、核燃料サイクルの仕組みや日本の原子力政策が抱える問題点などについて学びました。

 河野氏ははじめに、核燃料サイクルの仕組みについて説明しました。まず、燃料となるウランを軽水炉(原子力発電所)で燃やすと、発電しながら使用済み核燃料が出てきます。それを再処理する(化学薬品で溶かす)と、今度はプルトニウムが出てきます。そのプルトニウムを取った残りが、核のゴミ「高レベル放射性廃棄物」です。

 次に、このプルトニウムを特殊な原子炉「高速増殖炉」で燃やすと、発電しながらプルトニウムがどんどん増えていきます。つまり、資源のほとんどない日本でも2000年は電力需要を満たすことができる「日本にバラ色の未来をもたらすもの」として、この原子力政策はスタートしました。


■維持費用だけで200億円かかる「もんじゅ」

講師の河野氏

 しかし、実際のところ「高速増殖炉の開発はできそうもない」と河野氏は述べました。1967年に制定された、日本初の原子力長期計画には「20年後に高速増殖炉は実用化される」と書いてありましたが、その後改訂されるたびに先延ばしされ、現在では2050年までは開発できないと言われています。

 1995年12月には、高速増殖炉の原型炉「もんじゅ」がナトリウム漏れ事故を起こし、その後16年間止まったままです。これを“動かすため”ではなく“止まっている状態を維持するため”に、年間200億円もかかっているということです。

 もう1つの問題点は、高レベル放射性廃棄物の処理場についてです。放射能のレベルが極めて高いため、地下約500メートルの所に、10万年埋めておかなければなりません。当初は、2028年までに場所を決め、2038年から最終処分し始めるという話でした。

 現在六ヶ所村に中間貯蔵しているものを、2045年までには全量撤去する、と国は青森県と約束しています。しかし、本来処理場の場所についての調査は25年を要するにもかかわらず、現在まだ何も決まっていないというのが実状です。


■年間1千トンもの核廃棄物はどこへ

 高レベル放射性廃棄物を埋めた場合に発生する新たな問題についても、河野氏は言及しました。「穴を掘ってただ埋めればいいというものではない。100〜300年、中の様子が大丈夫かどうかモニタリングする必要がある」。しかし、そもそも燃料のウランは70年しかもたないと言われています。70年でウランを使いきっておいて、その後の世代に核のゴミの管理を任せるというのは、時間的に疑問だと話しました。

 さらに、使用済み核燃料があふれてしまうという問題点にも触れました。日本で使用済み核燃料は1年間に1000t出るといわれ、これらは原発の隣にある使用済み核燃料プールで冷やさなければなりません。しかし、現在プールの空き容量は、日本全国で6000t弱しかありません。

 もしすべての原発を再稼働させたら、あと6〜7年でプールがいっぱいになり、1基ずつ原発は止まってしまいます。これは、プールがいっぱいになると冷やす場所がないため、使用済み核燃料を原子炉の中にいれたままにしておくことになり、新しいウラン燃料を入れられないので、原発が動かせなくなるからです。


■情報公開に基づいた冷静な議論を

 河野氏は脱原発については、「新しい原子炉をつくるのはやめよう」、「40年かけて確実に廃炉にしよう」という2点が実現できれば、2050年に日本の原子力はゼロになるはずだと述べました。

 また、これから未来へ向けて「いちばん大事なのは省エネ(節電)」だと語り、「古い冷蔵庫やエアコンを買い替えたり、電気で湯をわかしたり暖房するのをやめると、かなりの電力使用量を減らすことができます。これをきちんとやれば、2050年までに今の電力使用量を生活に影響を及ぼさずに4割削減できるでしょう」と具体例を挙げて説明しました。

 省エネが進み、再生可能エネルギーも増え、足りない部分を天然ガスでつなげられれば、もっと早く脱原発が可能だと河野氏は考えています。ただし「天然ガスの輸入量が増えるので、経済的に耐えられるかどうか」、「天然ガスが出すCO2排出量を他の部分で抑えられるか」、という点がクリアできればという条件付きにはなるそうです。

 最後に河野氏は「これから先のエネルギー政策は、きちんとしたデータを元にプラス面とマイナス面を示し、日本国民としてこれで行こうというのを落ち着いて決めなければいけません」というメッセージで締めくくりました。


●今後の学習会も一般参加可能です

 パルシステム連合会では、今後も学習会の開催を予定しています。一般の参加も呼びかけていますので、参加をご希望の方は下記お問い合わせ先までご連絡ください。

○11/17(木)「協同組織金融機関と「脱原発宣言」の関係」

開催日時 : 2011年11月17日(木)午後15:00〜17:00

講師 : 吉原 毅氏(城南信用金庫理事長)

参加費 : 無料

場所 : 東京都電設工業厚生年金基金会館(電設年金会館)
東京都新宿区大久保2−8−3 地図


パルシステムの放射能対策


<問い合わせおよび申し込み先>
パルシステム連合会 広報部
TEL:03-6233-7241/FAX:03-3232-6536
Eメール:pal-kouhou@pal.or.jp




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