■田植え前に購入を約束し生産者も消費者も安心
パルシステム連合会は毎年4月から5月にかけて、その年に収穫される米を1年間届ける「予約登録米」の利用を呼びかけています。
予約登録米制度は、1993年の冷害による米不足を契機とし、95年からスタートした独自の制度です。田植え前の段階で産地と1年間の契約を結び、登録者分を優先的に届けます。
当初の目的は、収穫される米を予約することで確実に必要とする組合員へ届けることでした。近年は、売れ残った米を一般的な米と同様の価格で売らなければならないリスクを軽減できることから、組合員が生産者を応援する制度にもなっています。「農薬削減プログラム」をはじめ農薬や化学肥料に頼らない環境保全型農業に取り組む生産者にとっては、なにより心強い応援です。
■田んぼ換算で2870haがすでに予約済み!
2010年産の予約登録米は、前年から107%増加し登録者数が16万2102人となりました。米需要が全国的に落ち込むなか、登録者数は年々増加しています。
年間ベースでの数量は24万8103点、重量は1万3623t(精米ベース)の計算になります。これは23万人分の年間消費量に相当します(※1)。また、米の作付面積で計算すると2870haとなり、日本最西端の島、沖縄県与那国島の面積(28.84平方km)に相当する田んぼからできるお米が年間を通じて消費されることになります(※2)。
※1=農林水産省「食料需給表」(2008年概算)より
※2=精米ベースの重量を玄米ベースで計算(=×1.1)した上で農林水産省「作物統計」「平成二十一年産水陸稲の収穫量」を基に算出。与那国島の面積は国土地理院より。
■食と農をつなげるパルシステムの産直
パルシステムグループは2008年度から、食と農をつなげる「100万人の食づくり」運動に引き続き取り組んでいます。2010年1月には、農林水産省などが進める「フードアクションニッポンアワード」において、流通・サービス部門の最優秀賞を受賞しました。
3年目を迎える2010年度は、パルシステムの大きな特徴である産直に焦点を当て、その意味を伝えています。パルシステムでは30年以上にわたって産直活動に取り組んできました。単純に産品を直接組合員に届けるという産直ではなく、食と農の間にあるいのちのつながりを大事にし、周辺の地域や環境も含めて共存できる農業の形を追い続けてきたのがパルシステムの産直です。
■もっとお米を!「ごはんもう1杯!」プロジェクト
そんな産直の底力をより広く知ってもらうため、現在パルシステムで取り組んでいる産直活動の一部を「プロジェクト11」と名付けました。パルシステム商品の利用が、それぞれのプロジェクトを推進することにつながります。
その1つである「ごはんもう1杯!」プロジェクトは、環境保全型農業での米づくりを応援しようというプロジェクトです。予約登録米の登録よびかけのほか、年間を通じてごはん中心の日本型食生活を提案し、年間7万トンのコメ消費拡大をめざしています。
<参考>
登録点数ベスト5
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前年順位 |
1 |
エコ・秋田あきたこまち(無洗米・普通精米) |
2位 |
2 |
エコ・新潟こしひかり(無洗米・普通精米) |
1位 |
3 |
北海道ほしのゆめ(無洗米・普通精米) |
3位 |
4 |
エコ・宮城ひとめぼれ(無洗米・普通精米) |
4位 |
5 |
エコ・青森つがるロマン(無洗米) |
5位 |
伸び率ベスト5
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伸び率 |
1 |
エコ・会津こしひかり(無洗米・普通精米) |
327% |
2 |
エコ・秋田あきたこまち(無洗米・普通精米) |
122% |
3 |
エコ・茨城こしひかり(無洗米・普通精米) |
121% |
4 |
エコ・青森つがるロマン(無洗米) |
115% |
5 |
エコ・庄内はえぬき(無洗米・胚芽米) |
109% |
【資料】
※「コア・フード米」「エコ・チャレンジ米」の栽培基準
「コア・フード」栽培米の基準=農薬(除草剤・殺虫剤・殺菌剤)および化学肥料不使用の有機もしくは転換期間中有機栽培
「エコ・チャレンジ」栽培米の基準=パルシステムが定める農薬削減プログラムを実践し、独自に定める「優先排除農薬」「問題農薬」の不使用。農薬、化学肥料の使用を慣行栽培の2分の1以下に削減
産直いきいきコミュニティ(「プロジェクト11」紹介など)
ファーマーズネットホームページ(産直通信や予約登録米データなどがご覧になれます)
社会貢献活動レポート「パルシステムの予約登録米」
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