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掲載日:2010年5月14日

「根釧地区マイペース酪農学習会」を開催
放牧で飼料高騰に左右されず健康的な酪農を学びました
パルシステム連合会は5月11日(火)、東京都文京区の全林野会館で学習会「根釧地区マイペース酪農の姿を学ぶ」を開催しました。「こんせん72牛乳」の産地、北海道根釧地区で酪農を営む石澤元勝氏を招き、できるだけ地域資源を活用した酪農のあり方について学びました。

■自給飼料の推進で食料自給率をアップ

学習会の様子

 パルシステムでは、日本の食と農をつなげる「100万人の食づくり」運動などを通じて社会に対し食料自給率向上を呼びかけています。そのなかでも畜産における自給飼料の確保が果たす役割が大きいと考えています。

 遊休農地を活用した飼料原料の生産と畜産副産物のたい肥化などを組み合わせた「耕畜連携」もその1つです。これまで、飼料用に栽培した米を与えて育てた「日本のこめ豚」「までっこのこめ鶏」などを商品化しました。利用した組合員のみなさんからも好評です。

 今回の学習会「根釧地区マイペース酪農学習会」では、北海道根釧地区の厚岸町から酪農生産者、石澤元勝氏を招き、放牧を中心として自給可能な飼料である牧草を与える酪農と北海道酪農業界の現状について生協、役職員など70名が学習しました。


■酪農、牛乳を取り巻く状況を学習しました

 学習会に先立ち、新農業委員会の齋藤文子委員長(パルシステム神奈川ゆめコープ理事長)があいさつし「資源循環型農業を広めていくうえで、畜産の存在は欠かせません。『こんせん72牛乳』の産地である北海道根釧地区は、いわばパルシステム産直の原点です。今回の学習会を考えるきっかけにしましょう」と呼びかけました。

 続いて、食料農業政策室の高橋宏通室長から牛乳を取り巻く環境について解説がありました。「牛乳をめぐっては流通のしくみなど多くの問題を抱えるなか、石澤さんは『コア・フード』と呼べるレベルでの牛乳作りに取り組んでいます。生産者の信念と消費者の意思で、パルシステムの牛乳をさらにすばらしいものにしていきたいと考えています」と説明しました。


■できるだけ牛に任せることで健康に

石澤氏

 講演した石澤氏が営む石澤牧場は、北海道厚岸町で放牧を中心とした酪農を実践しています。北海道の酪農の現状について石澤氏は「テレビCMでは必ず放牧されている牛の姿が映りますが、生産量の半分は大規模経営の生産者が占めています。牛舎から出ることのない環境で穀物飼料の割合を高めることで搾乳量を増やすという効率的な酪農です」と語りました。

 それに対し、石澤氏の進める「マイペース酪農」は、昼夜にかかわらず牛を放牧させ、牧草を中心に牛を育てています。「牛にできることは牛に任せるのが基本です。それにより牛を健康に飼育することができ、農政などに振り回されない自立した酪農を営むことができています」と、基本的な考えを示しました。

 マイペース酪農の生産性は、道内の一般的な大規模酪農が1頭当たりの年間搾乳量1万kgに対し、5千〜6千kgと多くありません。その代わり、1頭が生涯で出産する回数は平均2.73産に比べておよそ2倍の5〜6産あるといいます。


■家族の時間を大事にしながら飼料高騰では収入逆転も

 また収入も、穀物飼料の購入や施設などにかかる経費を抑えられることから、実質所得との差はほとんどないとのことでした。特に飼料が高騰した2007年は、ある農協の平均所得を上回ったそうです。石澤氏は「マイペース酪農を始める以前は、毎日休む暇なく働かなければならなかったのですが、現在は家族、夫婦、人生を優先した生活を送ることができています」と話しました。

 これらの現状を紹介したうえで石澤氏は、参加者へ「消費する側の要求がなければ、生産側が変わることはありません。牛乳をめぐる現状をもっと知ってもらい『ホンモノの牛乳が飲みたい』という声を上げてください」と今後のパルシステムの取り組みに期待しました。


■自家製チーズが振る舞われ活発な意見交換

 その後の質疑応答では、石澤氏が持参した自家製チーズが振る舞われ「牛乳の味は違いますか」「マイペース酪農を広める活動内容を教えてください」など、活発な意見交換が行われました。石澤氏は「牧草で育った牛の乳は、さらっとして飲みやすいです。毎月第3水曜日に持ち回りで酪農交流会を開催していますので、ぜひ足を運んでみてください」と話しました。

 最後に学習会の締めくくりとしてパルシステム連合会の山本伸司常務執行役員が「パルシステムの産直活動は、少数派の支援と普及活動を両立させ、農業を深めてきたことが特徴です。今後も既存の酪農を否定することなく、新しい取り組みにチャレンジしていきたいと考えます」とまとめました。


<参考>

商品紹介「こんせん72牛乳」

みんなだいすき!こんせんくん





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