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掲載日:2010年4月28日

独自の生物多様性、文化、地域性を学ぶ
学習会「沖縄の歴史と自然」を開催しました
パルシステム連合会は4月23日(金)、東京都文京区の新大塚分室にて学習会「沖縄の歴史と自然」を開催しました。サンゴの植え付けなどを通じて環境保全活動を支援する立場から、沖縄県の自然破壊の現状や歴史、文化などについて、2名の講師を迎えて学びました。

■パルシステムが沖縄で支援するサンゴの森づくり

学習会の様子

 パルシステムは2009年、食料自給率向上や持続可能で環境保全型の漁業支援、魚食文化を守ることなどを目的に「水産方針」を制定しました。その一環として11月には、水産方針に基づく初の産直協議会として「恩納村美(ちゅ)ら海産直協議会」を設立し、パルシステムオリジナルPB「恩納もずく」の産地である沖縄県恩納村でサンゴを植え付ける「サンゴの森づくり」を支援しています。

 「サンゴの森づくり」支援では、「恩納もずく」の代金の一部や2010年2月から半年間、ポイント振り替えによるカンパが植え付け費用に活用されています。また、3月には初の産地交流企画「産地へ行こう。沖縄恩納村・サンゴの森づくり」が開催され、組合員とその家族78名がサンゴの苗づくりや植え付けを体験しました。


■「東洋のガラパゴス」とも呼ばれる豊かな生態系

花輪氏

 学習会は、生協組合員や役職員、関係者など72名が参加しました。冒頭に若森資朗理事長があいさつし「国連食糧農業機関(FAO)が提言する3つのエコシステムには、熱帯雨林とパルシステムが長年取り組んできた水田、昨年から支援するサンゴ礁があります。現在沖縄は、難しい問題も含みますが避けて通らず、環境面などからも考えていけるよう、密度の高い学習会としてください」と参加者に期待しました。

 最初の講演はWWF(世界自然保護基金)ジャパンの花輪伸一氏による「沖縄の自然破壊の現状」が行われました。花輪氏はまず、沖縄の生物分布について「ユーラシア大陸圏とインド・東南アジア圏の境界に位置するため『東洋のガラパゴス』と呼ばれるほど、世界的にも豊かな生態系に恵まれた地域です」と説明しました。

 沖縄の自然特徴として花輪氏は(1)世界的にも例のない大規模な亜熱帯林(2)岸からほど近く生活と密着したサンゴ礁(3)渡り鳥の中継点としても貴重な干潟(4)多様な生物が生息するマングローブ――の4点をあげました。これらの自然は、沖縄振興策による開発で現在も大きな被害を受けているとのことです。

 なかでも、国内で唯一のジュゴン生息地ともいわれている沖縄本島周辺には、えさとなる海草(うみぐさ)の藻場や世界的にも希少なアオサンゴの大集落が大浦湾周辺にあり、開発によるダメージが危ぐされています。花輪氏は「地元地域では、修学旅行や観光客を受け入れ豊かな自然を紹介する独自の振興策を図っています」との取り組みを紹介しました。


■日本とアジア諸国をつなげる拠点に

仲里氏

 次に、著述業の仲里効(いさお)氏による「沖縄をまなざす日本人の視線」が講演されました。全編を沖縄言語で撮影された映画「ウンタマギルー」や写真家の東松照明、中平卓馬の創作活動から沖縄の文化の多様性や住民の持つ感覚について紹介しました。

 沖縄の独自性について仲里氏は「さきほどの生態系や自然と同様、文化や歴史的にも日本とほかのアジア諸国との境界でした。ときには日本の中にあり、ときには日本の外となっていたため、帰属意識などは多くの日本人が抱く当たり前とは異なる場合があります」と説明しました。

 今後の沖縄については「地理的にも文化的にも、日本とアジア諸国をつなぐ拠点となるべきです。交流や運動のネットワークを民衆レベルで拠点化することが、沖縄という地域の活性化につながるのではないでしょうか」と提起しました。

 講演後の質疑応答では多くの質問が寄せられ、なかには伝統的なさつまいもの農法が九州や本州より東南アジアに近いことが紹介される場面もありました。参加者は沖縄独特の文化、歴史への関心を深めた様子でした。


【資料】

もずくの産地で海の環境保全と沖縄文化を体感 「産地へ行こう。沖縄恩納村・サンゴの森づくり」を開催しました(2010年4月2日ニュース)

生物多様性の維持へ沖縄県恩納村のサンゴ植樹を支援 「サンゴの森づくり」ポイントカンパを開始します(2010年1月27日ニュース)

生協、漁協、行政、メーカーによる「恩納村美ら海産直協議会」設立 10年計画でサンゴ1万本を植えつけます(2010年11月12日ニュース)




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