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掲載日:2010年3月2日

農商工連携の研究を発表し情報を交換
「地域交流フォーラム」を開催しました
パルシステム連合会とNPO法人NPO事業サポートセンターは2月14日(日)、東京都文京区の茗荷谷本部で「地域交流フォーラム」を開催しました。全国中小企業団体中央会(経済産業省の特別認可法人)の補助事業の一環として、農商工連携の取り組みについて発表しました。

■経産省助成事業の一環として行われました

関心の高さがうかがえた会場内

 パルシステム連合会は2月14日(日)、茗荷谷本部でNPO事業サポートセンターと共同で「地域交流フォーラム」を開催しました。農業生産者や食品メーカー、生協関係者など延べ150名が参加し、農商工連携の研究や事例について発表したほか、各ブースに分かれて個々に情報交換するマッチングなどが行われました。

 地域交流フォーラムは、全国中小企業団体中央会の補助事業「農商工連携人材育成事業」「農商工コミュニティ醸成の研究」の発表の場として開催されました。「農商工連携人材育成事業」はNPO事業サポートセンター、「農商工コミュニティ醸成の研究」は同センターを通じてパルシステム千葉とパルシステム連合会が担当しました。

 農商工連携とは、同一地域にある農業生産者、食品加工メーカー、販売業者、流通業者などが協力して地場産品を生かした経済活動を指します。第一次産業を機軸に、第二次産業、第三次産業に第一次産業者が関わり、付加価値を付け、第一次産業者自身が利益を得、同産業を活性化する事から第一次、第二次、第三次を掛け合わせて「第六次産業」ともいいます。

 パルシステム千葉とパルシステム連合会では、千葉県内の産直生産者をはじめ県内の関係各所とともに「地域協議会パルシステム千葉モデル」について研究しました。


■研究成果に期待する声が続々と

 主催者側として、NPO事業サポートセンター池本修悟専務理事、平野都代子パルシステム千葉理事長、連合会専務代行として堀田澤義人部長があいさつしました。そのなかで平野パルシステム千葉理事長は、名称変更前のエルコープで方針化した「人と環境にやさしい地球循環型社会の創造:基本構想」に触れ、この間進めてきた“だいすきちば みどりのネットワーク”および野田市と取り組んでいる園芸福祉事業“ウェル&グリーンファームのだ”の取り組みを紹介し、研究成果に期待しました。

 来賓として、経済産業省地域経済産業政策課滝本徹課長、(独法)中小企業基盤整備機構連携支援部鈴木隆文部長、全国中小企業団体中央会事業推進部佐久間一浩部長が、農商工連携の実態と今後の期待について話しました。最後に認定NPO法人ふるさと回帰支援センターの高橋公常務理事・事務局長から農商工連携における担い手育成の必要性と、それによる雇用創出について提起がありました。


■交流を重視し「WIN-WIN」の関係を

 次に事務局から「農商工コミュニティ醸成の研究」の成果報告を行いました。調査研究は、首都圏の消費地であり生産地でもある千葉県でパルシステム千葉が進めてきた活動を基盤にし、農商工連携を成功させる地域協議会モデルとはどのようなものか、パルシステムが関係した先行事例の分析とともにまとめました。

 農商工連携事業で特に「農」を機軸とした場合、どこに何を売るのかという対象のしぼりこみとニーズを把握する力が弱く、担い手も含め事業として自立した事例が少ない現状です。生協は組合員という消費者が既に存在しています。その立場から農商工連携を位置づけ、地域協議会には、パルシステムの方針でもある環境保全、地域資源循環といった視点も入れました。

 パルシステムの先行事例の分析も踏まえ、事務局では「“農商工連携における地域協議会”が成功する要因は、生協という購買力ある組織のニーズに向かって農業生産物を六次産業化することにあります。農商工にかかわる行政、営利、非営利に各セクターの力を地域協議会に結集して『WIN−WIN』の関係をつくり、商品開発や交流体験事業などを通じて六次産業化による地域活性化をめざすべきではないでしょうか」と話しました。


■根本野田市長が講演しました

根本野田市長

 続いて根本崇野田市長による講演が行われました。千葉県野田市は農薬に代えて黒酢の散布によるブランド米栽培やビオトープ整備による環境保全および意識啓発、地場特産のエダマメを活用したブランド化など、農業を中心とした農商工連携に取り組んでいます。

 根本市長は「黒酢散布の農法で栽培した米は、減農薬、減化学肥料栽培の特別栽培米として着実に人気を高めています。ビオトープ整備はオオタカやサシバといった希少生物を守るだけでなく市民農園としても活用しており、自然の大切さや農業の苦労を体験してもらっています」と現状を報告しました。

 今後については「コウノトリの放鳥も予定しています。ただし市内からの参加者だけでは限界があり、これまでのパルシステム千葉との活動をより広げ、さらに多くの組合員が参加できるようなしくみが必要です」と課題を語りました。

 「パルシステムの『100万人の食づくり』運動と農商工連携=六次産業事例紹介」の報告では、高橋宏通産直事業部長がパルシステムの取り組んでいる産直事業と「100万人の食づくり」運動も絡めて、米豚や飼料など「農」を軸にした農商工連携=六次産業の事例を説明しました。高橋宏通事業部長は「生産者と消費者だけでなく、生産者同士、消費者同士の交流、連携を進めています」と話しました。


■「地域担い手塾」参加者によるユニークな発表も

ブース別マッチングの様子

 また「農商工連携人材育成事業」に基づく「地域担い手塾」の参加者による農商工連携案件が発表されました。

 地域担い手塾は2009年10月から2010年1月にかけて開催され、受講した6チームがそれぞれのテーマに基づき農商工連携の事例を提案しました。発表後には各チームがブースに分かれてブース別の討議やマッチングが行われました。発表の内容は次のとおりです。


  • 「伊勢エビの逆襲」=いすみ市の夷隅東部漁業組合が直売所やレストランを運営。特産品の1つである伊勢エビは、触角や足のないものを加工品として活用でき、運営のレベルアップによる地域活性化を図る。グリーンツーリズムなども取り入れたい。
  • 「茨城県をめぐる『Y戦略』の概要」=茨城県の特産品を中心とした商品開発、地域おこし。特産の農産品を加工するだけでなく、他県特産品のコラボレーションも考えている。廃校や廃業した酒蔵を活用した地域起こしも行う。
  • 「灯台もと照らし」=千葉県の観光活性化を図るため、養老渓谷と銚子の両地域をモデルに設定。日帰り定住や手作りしょうゆ体験などを行い、渋滞を回避するためカーシェリングなどを検討する。ほかのチームと組める点もたくさんある。
  • 「Bamboo Project」=竹林を活用した肥飼料、燃料などの製造。コストが障害となるため竹と鶏の組み合わせによる事業化を提案。竹林管理は人が入っていけるようなしくみをつくりたい。
  • 「エコパルくん」=耕作放棄地でケナフを栽培し、活用する。ケナフを量産する技術により容器ごと植えられる苗ポットを提案。ミニプラントは年内に事業をスタートさせる。

【資料】

■パルシステムの地域協議会

パルシステム連合会と会員生協、産地、地方自治体などが連携して産直交流の推進、産直加工品の開発、環境保全型農業の推進を通じて地域の活性化をめざしています。

名称 設立 参加団体 活動内容
海を守るふーどの森づくり野付植樹協議会 2001年 野付漁協、北海道漁連、パルシステム連合会 00年から毎年植樹ツアーを実施し、総植樹数は4,560本になる。01年から野付漁協女性部を講師に招き「浜の母さん料理教室」を各地で開催
藤崎町(青森県)食料と農業に関する基本協定 2001年 藤崎町、JA津軽みらい、常盤養鶏、パルシステム東京、パルシステム連合会 有機大豆生産を支える「大豆栽培」、つがるロマンの商品事業などを進める。直売所「ときわ食彩館」事業を推進し、08年度から現地受け入れ団体「あんづましーい」を結成
JAつくば市谷田部食と緑の交流推進協議会 2002年 JAつくば市谷田部、パルシステム茨城、パルシステム連合会、ジーピーエス 食と緑の交流企画としてふれあい農園、田んぼの学校、きのこ栽培、生きもの調査を登録制で実施
旭市(千葉県)食料と農水産業に関する基本協定 2001年 旭市、JAちばみどり、パルシステム東京、パルシステム千葉 提携団体を基礎に協同出資による「(株)うなかみの大地)を設立。提携ほ場を軸に農産物栽培と販売事業を進めている。「棚田お米づくり会員」「じゃがいも焼酎(瀧の郷)」「市民風力発電」なども取り組む
JAささかみ食料と農業に関する推進協議会 2000年 阿賀野市、JAささかみ、パルシステム連合会 2004年NPO法人「食農ネットささかみ」を設立。年5回の「産地へ行こう。」ツアーやパルシステム職員研修を開催
上越市(新潟県)食料と農業に関する基本協定 2001年 上越市、JAえちご上越、(株)よしかわ杜氏の郷、パルシステム東京、パルシステム連合会 パルシステム東京も出資する酒造会社「よしかわ杜氏の郷」における「お酒造り体験」、JAえちご上越での「お米づくり体験」を実施
小田原食と農の交流推進協議会 2002年 小田原産直組合、パルシステム神奈川ゆめコープ、パルシステム連合会、ジーピーエス 2004年NPO法人「小田原食とみどり」設立。収穫祭や梅干し交流会、オーナー制のたまねぎ植え付け、田んぼの学校やはたけの学校など企画
庄内産直ネットワーク 2003年 庄内協同ファーム、JA庄内たがわ(賛助会員:ユーアイコープ、パルシステム連合会) 田植え、稲刈りツアーの実施。07年度はふゆみずたんぼで生きもの調査を実施
パルシステム・秋田南部圏食と農推進協議会 2006年 湯沢市、横手市、東成瀬村、JAこまち、JA秋田ふるさと、雄勝りんご生産同志会、パルシステム千葉、パルシステム東京、パルシステム連合会 商品企画、交流、環境の3部会を設置。商品企画ではパルシステム千葉の独自チラシ販売。米こうじの開発や米づくり体験交流、生きもの調査を実施
花巻食と農の推進協議会 2008年 花巻市、JAいわて花巻、パルシステム神奈川ゆめコープ、パルシステム連合会 米づくりの体験ツアーと地域交流を目的としたグリーンツーリズムツアーを実施。交流で栽培した玄米を販売
宮城みどりの食と農の推進協議会 2009年 大崎市、美里町、涌谷町、JAみどりの、パルシステム神奈川ゆめコープ、パルシステム連合会 農産物をはじめとする産直事業の拡大強化と、グリーンツーリズムの新たな人的交流事業、生産者・消費者が一体となった資源循環型・環境保全型社会の構築をめざす
恩納村美(ちゅ)ら海産直協議会 2009年 恩納村、恩納村漁協、(株)井ゲタ竹内、パルシステム連合会 サンゴの養殖、植え付け、管理を行うほか、生産者と生協組合員の交流、資源循環型水産物や産直加工品の推進などを実施




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