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掲載日:2009年11月9日

2009年度唯一の畜産を対象とした公開確認会
「ナカショク公開確認会」を開催しました
パルシステムでは10月29日(木)、30日(金)の2日間、新潟県にあるパルシステムの豚肉産直産地、(株)ナカショクにて公開確認会を開催しました。農場の視察や各種帳票類の確認をおこない、食の安全を確認したほか、堆肥を利用した野菜農園の視察も行いました。

会場には約60名の参加者が集まりました

 パルシステムでは、食の安全の確保と、環境保全型農業の推進に向け、産地での栽培や生産履歴を生協組合員と生産者がともに公開の場で確認しあう「公開確認会」を1999年より実施しています。2009年度は、バランゴンバナナ産地のフィリピン、野菜産地のちば風土の会(千葉県)など6産地での開催を予定します。


■2009年度唯一の畜産を対象とした公開確認会

 「ナカショク公開確認会」は10月29日(木)、30日(金)の2日間、新潟県新発田市の(株)ナカショク上中山農場で行われました。生協組合員と役職員、(株)ナカショクのほか、パルシステムの産直産地であるJAささかみ(新潟県阿賀野市)や全農などからも出席があり、合計およそ60名が参加しました。

 (株)ナカショクは、養豚の大規模経営を行っており、パルシステムの主力産地の1つとなっています。2009年度唯一の畜産を対象とした公開確認会の産地です。社名の由来は「仲間の職場」からきているそうです。


■豚のストレスが少ない飼育方法を確認

豚舎の視察

 初日は、公開確認会の会場である(株)ナカショク上中山農場の豚舎の視察から行いました。豚舎は開放豚舎で、ロールカーテンによって風や日差しを感じることができ、自然に近い環境で育てられていました。また、野鳥の侵入を防ぐ防鳥ネットや、野生動物が入らないためのフェンスなどの防疫対策がなされていました。

 豚舎(肥育農場)の敷床は、きのこを生産する際に使用する菌床を利用していました。通常は産業廃棄物になる菌床も再利用することで、環境・リサイクルの取り組みを行っています。


■畜産を取り巻く厳しい情勢について説明

 公開確認会冒頭のあいさつで、パルシステム連合会の山本伸司常務は「公開確認会は欠点のあら探しではありません。さまざまな視点を忘れずに産地の現状をしっかり把握してください」、(株)ナカショクの本間春夫社長は「年を取った人が、ずっと働いていけるような、人にも豚にもやさしい職場を目指しています。忌憚(きたん)のないご意見をください」、JAささかみの清水清也代表理事組合長は「顔の見える関係、つながりを構築してください」と、それぞれあいさつしました。

 産地プレゼンテーションでは、最初に全農畜産生産部の斉藤良樹課長が「わが国の養豚の現状と将来」について説明しました。1人当たりの豚肉の消費量は年々伸びている一方、消費されているのが輸入の豚肉だったり、配合飼料の高騰などにより養豚の経営状況は悪化しているとのことです。


■農場防疫三大原則で徹底した衛生管理

プレゼンする(株)ナカショクの本間常務取締役

 生産や物流、安心・安全への取り組みは、ナカショクの本間基司常務より説明がありました。ナカショクでは、豚を健康に育てるために農場防疫三大原則(1)持たず(2)作らず(3)持ち込ませず――を掲げています。高い衛生管理技術を持った生産者のみが生産できるSPF(特定病原菌を持たない清浄豚)認定農場から種豚を導入し、三元交配(※1)しています。

 三元交配で生まれた豚は、成長段階に合わせて飼育農場を「繁殖農場・離乳仔豚農場・肥育農場」の3つに分け、病気の感染・拡大を防ぐ「スリーサイト方式」を採用しています。また、仔豚を出荷した後は豚舎を空にし、徹底的に洗浄・消毒をしてから次の仔豚を導入する「オールインオールアウト方式」を採用することで、衛生的で病気になりにくい環境も整えていました。

 本間常務は「食育や飼料米をはじめとする循環型農業への取り組みもこれから深めたいと考えています。これからも生産者の顔の見える関係をつくっていきます」、ナカショク顧問獣医師であるバリューファーム・コンサルティングの呉社長は「いくらシステムがよくても、働く人のやる気しだいで病気が入ってくる可能性もあります。各部門に責任を持たせ、やる気を引出すことができるシステムがスリーサイト方式です」と2人とも情熱的に話しました。


■環境循環型、地域密着型生産の実践

農園の視察

 ナカショクは、環境リサイクル事業で、豚ふんや鶏ふんをたい肥化し、年間1万トンの製品を販売しています。また、豚舎(肥育農場)で再使用する菌床もたい肥化し野菜の栽培にふたたび利用するなど、環境循環型生産、地域密着型生産の実践を開始しました。翌日は、そのたい肥で土作りを行ったアスパラや大根、かぶ、白菜などの農園を視察しました。

 その後、会場に戻り、公開確認会のまとめが行われました。監査人からは「顧問獣医師と連携した管理がすばらしい」「豚のストレスが少なく、大事に育てられるのが分かりました」、「農場防疫三大原則が徹底されていました」「これだけ大規模の養豚なのにハエがいなかったので、衛生面の管理がすばらしいと感じました」などの意見がありました。


■所見まとめでは「養豚の新しいシステム」と評価

 監査所見まとめとしてパルシステム連合会産直事業部の野村和夫部長は「これだけの情報を共有できるというのは、ナカショクとパルシステムが築いた財産だと思います。また、獣医師の果たす役割は大きく、養豚事業の新しいシステムを作り上げていました」と話しました。最後に産地の受け止めとしてナカショクの本間常務取締役が「みなさんからの意見をもとに、違ったナカショクをお見せできるように頑張りたい」と抱負を語り、終了しました。


組合員の監査所見報告

大規模な養豚場

豚舎の敷床の材料である、きのこの菌床を手にする



耕作放棄地を開墾して作った農園でナカショク本間社長の説明を受ける

肥育農場で走り回る豚たち

帳票類を確認する参加者



防疫対策の1つである車両燻蒸庫を視察

仲間の職場「ナカショク」のスタッフのみなさん



【資料】

※1 三元交配

大ヨークシャー種とランドレース種とを交配させて生まれた豚と、デュロック種を交配させ、そこで生まれた豚を肉豚として育てて出荷します。三元交配で生まれた豚は親豚の長所を持ち合わせているため、きめ細かくやわらかな肉質が特徴です。





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