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掲載日:2008年6月20日

パルシステムの新農業委員会が「国内飼料問題と食を考える講演会」を開催しました
パルシステムでは6月17日(火)、アカデミー茗台(東京都文京区)にて「国内飼料問題と食を考える講演会」を開催し、穀物高騰のなか、畜産家・業界がおかれている現状について理解を深めました。

■パルシステムの産直・食料政策を議論する新農業委員会

 パルシステムでは、食の安全の確保と、環境保全型農業の推進に向けさまざまな取り組みを行っております。それを推進するのが「新農業委員会」。月に1回、32名のメンバーがパルシステムの農業情勢・産直政策・交流活動・について議論を深めています。

 この数年情勢の変化は早く激しく、委員メンバーも、外部の有識者を呼んでの学習会を開催しながら視野を広げる努力をしております。今回も新農業委員会のメンバーを中心に、産直に係わる役職員・組合員を中心に約100名が参加し、穀物高騰の現状のなか、畜産および畜産飼料の現状を学びました。


■パルシステムの「こめ豚」とエコフィードの取り組みについて

パルシステムおよび畜産業界
の現状について説明する
(株)パル・ミートの桑島部長

 まず、畜産の状況に詳しい(株)パル・ミートの桑島部長より現状の話がありました。

 穀物高騰は投機資金の流入/新興国の成長による需要増/不作およびエタノール燃料への利用転換が理由で、この状況はしばらくは続くであろうこと。また政府・業界の基金でこれまでこの状況をしのいできたが、基金も底をついてきており、畜産業界はすでに大変な状況にきていることなどが多くのデータを基に報告されました。

 また、この現状を受けて、パルシステムの畜産産地でも、飼料に関してはさまざまな対策が取組み始められており、特に飼料米を飼料に加えた「こめ豚」は組合員さんにも理解いただき、好評であること、また、地域の食品残渣/規格外の小麦等を活用した自給飼料を与える取り組みがパルシステムの産地に広がっていることが報告されました。 一方で「こめ豚」の取り組みが広がるには、飼料米の価格が飼料米生産者の再生産を充分補償するものでなければ持続できないため、パルシステムでは本年、次年度に向けて多収穫米の種籾の植え付けを行ったことなどが報告されました。


■アメリカでNon−GMOのコーンを生産するケントさんの話をうかがう

アメリカの農業の現状を報告した
ケント・ロック氏

 次に、アメリカはイリノイ州でNon−GMO(非遺伝子組換え)のコーンを栽培するケント・ロックさんのお話を伺いました。まずケントさんはご自分の家族の紹介から始められました。

 ケントさんの耕地面積680haはイリノイでの典型的な農家の耕作面積で、トウモロコシ・大豆・牧草そして150頭の肉牛を飼っているそうです。

 ケントさんは「人は人と仕事をする」を大切に、友情と気持ちのつながりを大切に農業に励んでいるとの事で、実際に自分が作ったコーンを利用してくれるパルシステムの生産者および消費者に会うことができ、とても喜んでいるとの事。

 彼の希望は、規模を大きくする事ではなく、もっと価値のある作物を作って利益をより出すことで、そのためにNon−GMOのトウモロコシの栽培は役に立っているとの事です。誇りをもって農業に取り組んでいるケントさんのお話は、参加者の興味・関心を引きました。


■パルシステムの豚肉の生産者、北見さんのお話

パルシステムの豚肉の生産者
北見さんは養豚の現状を報告

 最後に千葉県市原市でパルシステムの豚肉を生産している北見さんのお話をうかがいました。

 北見さんはまず「異常事態」であるとおっしゃいました。1年半で飼料代が7割高騰し、年間5千万円の負担増になっている現状を率直に報告なさいました。

 「飼料としてNon−GMOのコーンをなぜ使わないのか」と聞かれるが、使わないのではなくて、使えないのが現状。また日本の現状を鑑み、食品残渣の削減も大きな課題と捉え、首都圏とんトン協議会(北見さんが所属するパルシステムの養豚家のグループ)ではフライドミールという100℃の減菌過熱を行った飼料の利用が始まった事が報告されました。

 最後にパルシステム連合会の山本常務より、有機農業の推進、また食べ物の循環には畜産が中心にあり、日本から畜産業はなくならないだろうが、アメリカの安いトウモロコシをエサとして輸入して肉にして売るというビジネスモデルが成り立たなくなってきている現在、日本の畜産業を支えるために何ができるのか、真剣に考えなければならない時にきているとまとめがなされました。

 多くの参加者が、報道等では耳や目にしている事実を改めて詳しく理解するよい機会となりました。さらに命を頂くという事の大変さ、ありがたさを実感しました。


●「国内飼料問題と食を考える講演会 ―畜産飼料の国際情勢から国内事情を学ぶ―

内容  
開会あいさつ 新農業委員会 委員長
齋藤 文子氏
飼料高騰を軸におき、世界情勢を理解する
自給率とエコフィード
(株)パル・ミート
桑島 雄三氏
休憩
メデイアが伝えるものと真実の違い
良質の穀物を生産したい生産者の考え
コーン生産者
ケント・ロック氏
国内畜産生産者の現状と思い 首都圏トンとん生産者
北見 則弘氏
まとめ 新農業委員会事務局長
山本 伸司氏

<参考>

パルシステムの産直肉





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