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掲載日:2005年3月15日
第1回「田んぼの生きもの調査 研修会・シンポジウム」を開催しました
首都圏コープ事業連合も参加している「田んぼの生きもの調査プロジェクト」は、3月12日(土)、13日(日)の両日、東京・千代田区の全中大会議室で「田んぼの生きもの調査 研修会・シンポジウム」を開催しました。
首都圏コープグループとJA全農では、首都圏コープの産直産地や地域団体、生協組合員と協力して、2004年度から「田んぼの生きもの調査」を行い、生物多様性を活用した環境創造型農業をめざしています。
今回の研修会は、2005年4月から「田んぼの生きもの調査プロジェクト」に加わる生活クラブ、東都生協、新潟総合生協なども参加して、(社)農村環境整備センターの協力を得て開催しました。2005度実施予定・検討中の生産者、生産法人、JA、行政、消費者、生協、土地改良組合、研究者、普及センター、環境NPOなど130名が集まりました。
研修会では、はじめに事務局からこの3年間の「観察会から調査」「2004年度1年目調査」の経過報告を行いました。その後、NPOふゆみずたんぼ代表の岩渕成紀氏より「ふゆみずたんぼの生きもの曼荼羅」、続いて東北大学助教授の伊藤豊彰氏より「環境創造型農業の技術開発と普及」と題して基調講演が行われました。ふゆみずたんぼの提起と栽培試験、また生きもの調査を全国的に展開することを通して生物多様性を活用した環境創造型農業へ転換を加速させ、広く理解を呼びかけて「環境直接支払い」を運動としていく意義と到達点についてお話いただきました。
続いて行われたパネル討論は岩渕氏をコーディネーターとして、2004年度「ふゆみずたんぼ試験栽培」と「生きもの調査」を実施した大潟村産地会議、JAささかみ、JAみどりの、ちば緑耕舎の4産地の皆さん、および今年度計画・準備中の庄内産直ネット、JAえちご上越が加わり、調査の状況や進め方について意見交換を行いました。生きものと農業の関係が見えてきたこと、農業への共感・感動が語られました。
2日目は、小山淳氏(古川農業試験場主任研究員)、粟生田忠雄氏(新潟大学助手)、荒尾稔氏(TML研究所)より調査の進め方や、湛水管理、データと集積と活用などについてお話いただきました。午後2005年度調査の運営について意見交換を行い、行政、研究者、農業高校・大学、NPOなどさまざまな人々が加わり地域組織として地域全体の環境保全・復元を目指していくなど、生産者団体だけでなく地域との連帯について意見が出されました。
「田んぼの生きもの調査プロジェクト」では、今回の研修に引き続き、来月4月9日、10日に宮城県で現地研修会を行う予定です。
首都圏コープグループは、2005年度もさまざまな生協と生産者、地域団体が協力して調査を進めていきます。
■資料
*田んぼの生きもの調査プロジェクト NPOふゆみずたんぼ、首都圏コープ事業連合、JA全農を幹事団体として、今後の自然循環機能を活かし自然と共生する有機稲作を、「生きもの調査」を通して生産者と消費者が同じ視点で全国に進める目的で結成しています。
「田んぼの生きもの調査プロジェクト」では、本年2月、2004年度の調査をまとめた『田んぼの生きもの調査・実践編』を発行いたしました。
■『田んぼの生きもの調査・実践編』(田んぼの生きもの調査2004年度報告書)
発行人・編集責任:田んぼの生きもの調査プロジェクト
(首都圏コープ事業連合、JA全農、ほか)
A4 128ページ
※希望者に配付中。資料代として1000円と、送料の実費をいただきます(一般販売はしていません)。
<ご注文・お問い合わせ>
首都圏コープ事業連合 産直事業部 交流政策課 担当:田崎
電話:03-5976-6206
~内容より~
■誰にもできる!「生きもの調査」の手法を写真付きで紹介
■JAささかみ(新潟県)、大潟村産地会議(秋田県)、JAみどりの(宮城県)、ちば緑耕舎(千葉県)での生きもの調査の結果 発表
■「生きもの調査隊長」岩渕成紀氏(宮城県立田尻高校教諭)らによる結果考察、調査に参加した生産者のご意見・ご感想
■岩渕成紀氏の講演集:400年前のいにしえの農業技術「冬水田んぼ」・土を耕すイトミミズ・水について考え直す・田んぼの価値は何兆円?・生物多様性を認めるアジアの精神、など