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フェアトレードの原点 フィリピン・ネグロス交流ツアーを開催しました 目次に戻る

 首都圏コープ事業連合は、3月13日から19日の7日間、首都圏コープグループのフェアトレード商品の原点とも言えるバランゴンバナナの産地、フィリピン・ネグロス島を訪ねる交流ツアーを実施しました。

 首都圏コープグループでフィリピン・ネグロス島のバランゴンバナナの民衆交易が始まって13年になりました。バランゴンバナナは、ネグロス島の人々の自立を応援する仕組みのもとで民衆交易として多くの組合員に支えられてきましたが、台風などの自然災害や産地の自然条件などの課題を抱えながら進められてきました。現地では、2000年から産地の自活と自立をめざす「バランゴンリニューアル計画(BRP)」が進められ、持続可能なバナナ民衆交易に向けた取り組みが行なわれています。今回のツアーは、バナナ民衆交易の原点を辿るとともに、バナナを通してアジアへの理解を深める機会として行ったものです。

 3月13日午前、成田を出発した16名のメンバーは、マニラを経由して同日夕、ネグロス島の西ネグロス州の州都バコロドに到着。翌14日から三日間、西ネグロス州内の主要なバランゴンバナナ生産地をつぶさに見て回りました。
 今回のツアーでは、元々の自生種である「山バナナ」としての産地であるランタワン地区、サトウキビ畑を転換してバランゴンバナナ生産に取り組むナギスロッド村とカタイワ村を訪ね、生産の現状とこれまでの土づくりの取り組みにふれました。このうち、中山間の傾斜地であるランタワン地区では、バナナの収穫の現場に立会い、集荷からパッキングセンターでの検品−洗浄−乾燥−箱詰めのながれと出荷までの工程を視察したほか、マニラへの積出港であるバコロドのネグロスナビゲーションで出荷バナナをコンテナに収めるまでの一連の工程をトラッキングすることができました。
 14日に訪ねたムルシアのナギスロッド村は、サトウキビ労働者が長い無権利状態から闘いを通して土地の権利を獲得、サトウキビ畑をバランゴンバナナ生産へと転換をすすめている村ですが、交流を通じてそうしたフィリピン社会の断面にふれることができたばかりでなく、3軒に分宿した民泊体験は、参加者一人ひとり、大変強い印象を持つものとなりました。

 また今回のツアーでは、アジアの国々との民衆交流を積極的にすすめるなか、人びとの自立と協同への取り組みへの理解を深めることとして、17日と18日の二日間、ネグロス島と隣りあうセブ島を訪れました。
 同島では、換金野菜作物を中心に12ヘクタールの農場を経営する農家を見学。WTOやFTAが進みつつあるなか、生産性を考えた新しい農業経営者の実像にもふれることができたことは、現在のフィリピン社会や農業を知る上でも大きな収穫でした。
 18日にはセブ市の玄関口に位置するマンダウェ市でストリート・チルドレンのシェルターを運営しているNGO組織の「OPTIONS」とボホール島からの人びとのスラム地区を訪問し、現在のフィリピン社会の直面する、もう一つの断面としての都市の問題を垣間見てきました。私たち日本人の想像を越えた現実のなかでも自立に向け精力的に活動するNGO組織の努力と、希望を捨てないで活動に参加する人びとに大きく心を動かされるとともに、協同し助け合って誰もが自立できる社会を目指そうと活動している人びとの息吹を感じた旅となりました。


■2003年度フィリピン・ネグロス交流ツアー行程

3月13日(土) 9:30成田発マニラへ
マニラ13:40着
国内線でネグロス島バコロドへ 16:40着
3月14日(日) 午前:オリエンテーション後、ナギスロッド村(ムルシア)へ。
バランゴン・リニューアル計画(BRP)とサトウキビ生産見学
生産者宅に民泊
3月15日(月) カタイワ村(タリサイ市)へ。
バナナ収穫作業、パッキングセンター見学。バコロド泊
3月16日(火) 午前:マスコド製糖工場見学
午後:カネシゲファームにて普及研修農場とBMWプラント見学
バコロド泊
3月17日(水) 午前:バコロド発セブ島へ
8:45セブ(マクタン島)着
午後、セブ島内野菜生産農家視察、夕方、マンダウェ市内カルボン市場見学
3月18日(木) マンダウェ市内のNGO「OPTIONS」とスラム地区訪問
3月19日(金) 7:55セブ発
午後帰国

■フェアトレードの原点としてのバランゴンバナナ交易とバランゴンバナナ・リニューアル計画


1980年代、国際砂糖相場の暴落により砂糖の島ネグロスを襲った飢餓。それに対する支援からはじまったバランゴンバナナの交易は、ネグロスの人々の経済的自立をめざしただけでなく、無農薬・地場バナナの民衆自身による国際産直として、北と南の人と人を結ぶ交流・連帯を育ててきましたが、相次ぐ台風と旱ばつ、バンチートップなど病害の発生で収量が落ち込んでいます。産地をネグロス島だけに限定せず、栽培しながら育てていく生産へと、2000年から始まったバランゴンバナナ・リニューアル計画(BRP)では、新たにミンダナオ島を含め、ルソン北部からの出荷とも合わせてバランゴンの生産に取り組まれ、産地の再生と地域の自立をトータルに復興していくものとして歩み出しています。
バナナの切り出し 中山間の傾斜地でバランゴンを生産しているネグロス島ランタワン地区でのバナナの切り出しと集荷の模様(3月15日)
バナナのパッキングセンター ランタワン地区から出荷されたバナナを荷受けするシライのパッキングセンター(3月15日)
マスコバト糖の工場 “砂糖の島”ネグロスを代表するマスコバト糖の工場も見学しました(3月16日)
児童労働者シェルターを運営しているNGO「OPTIONS」 セブ本島マンダウェ市にある児童労働者シェルターを運営しているNGO「OPTIONS」を訪ねました(3月18日)