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ポテトチップス等からのアクリルアミド検出の厚労省調査結果について 目次に戻る

2002年11月6日
生活協同組合連合会
首都圏コープ事業連合

 11月1日付の各新聞は、発がん性が指摘されるアクリルアミドが国内の食品中にどれだけ含まれているかの、厚生労働省が31日に公表した調査結果を伝えました。これは、国立医薬品食品衛生研究所が75品137品目を調べたもので、ポテトチップス、かりんとう、フライドポテト等、加工食品の中に含まれるアクリルアミド検出値が報道されました。

 今回公表された報道内容に対する当会の対応をご案内申し上げます。
  1. 現在の段階で、人に対するアクリルアミドの明確な発がん性は確認されておりません。また、従来から通常の調理法によって、アクリルアミドは生成され、人に摂取されていたと考えられます。飲食によって摂取されたアクリルアミドの人体影響は、長期間摂取されることによってもたらされると考えられています。
  2. 今後、WHOやコーデックス委員会等での検討が進み数値的な検証もなされることになりますが、現状での日本人の食生活からは、必要以上の危険性を考える必要はないと考えられます。
  3. ただし、ファーストフード等で「フライドポテト」や「ナゲット類」を多食する傾向の若年層の食生活については、注意をうながしていく必要があります。
  4. 今後、安全性や分析法、調理加工法とアクリルアミドの生成機構などについて、海外や国内の情報を幅広く収集・解析する必要があります。
  5. 首都圏コープ事業連合は、FAO/WHO専門家会議やEU食品科学委員会の見解と同様の立場で、「充分な野菜や果物を含む様々な食べ物をバランス良く取り、揚げ物や脂肪食は適度にすべきである」ことを、今後「食育」の活動等を通して、生協組合員の皆様と共に考え、働きかけてまいります。

■参考
1. アクリルアミド
 今年4月、スウェーデン国立食品局(NFA)は、動物実験において発がん性が指摘されているアクリルアミドが、高温で調理されたでんぷんを含む食品中(例えば、ジャガイモやパンなど)において高濃度検出されたと発表しました。
 アクリルアミドは、国際がん研究機関(IARC)の発がん性分類でグループ2A(人に対して発がん性を示す可能性がある)に分類されており、アクリルアミドを一生涯毎日摂取し続けた場合の発がんリスクは下記3のとおり示されています。
 WHOは今年4月にコメントを発表し、食品中のアクリルアミドから生じる公衆衛生に対するリスクの範囲を可能な限り早く決定するために、6月には国連食糧農業機関(FAO)と協同で専門家会合を開き、毒性データ、その発現メカニズムに関する情報、疫学研究データ、食品からの摂取に関する情報、食品中のアクリルアミドの分析方法、加熱調理時の食品中におけるアクリルアミドの生成及び消滅のメカニズムに関する情報、リスクマネジメント情報などのデータの提供を呼びかけました。

2. 厚生労働省食品衛生審議会に報告された内容及び新聞(朝日)報道内容
 今回、厚生労働省より公表されたアクリルアミド検出量は以下のとおりです。
品名 検出量(μg/1kg) 品名 検出量(μg/1kg)
ポテトチップス 3,544〜467 コーンスナック 535〜117
かりんとう 1,895〜84 ビスケットなど 302〜53
フライドポテト 784〜512 コーヒー 231〜151
ほうじ茶 567〜519 緑茶・パン・卵焼き 30未満
(μg=百万分の1g)

3. 現在示されている範囲での「アクリルアミドのリスク量」と摂取量との対比
組織 発がんリスク(1μg/kg体重/日)
アメリカ環境保護庁(USEPA) 1,000分の4.5
世界保健機関(WHO) 1,000分の0.7
ストックホルム大学 1,000分の10
 現時点で、各組織による発がんリスクは以上のようになっています。最もリスクを高く評価しているストックホルム大学の評価によれば、体重50kgの人が、毎日50μgのアクリルアミドを生涯摂取しつづけた場合、100人中1人に発癌のリスクがあると推定されています。なお、WHOの評価では、1000人中0.7人が発癌のリスクがあると推定されています。
 なお、今回検出(報告)されたポテトチップの平均数値(2,000μg/1kg)を通常の小売単位(50g〜100g)で換算すると、一袋(100g)あたりのアクリルアミドは200μg含まれることになります。