5日、狂牛病感染の恐れがあるとされる「特定危険部位」を原料とした加工食品の製造自粛と自主回収の指導が厚生労働省より出されました。
首都圏コープは、牛を原料とした加工食品についても、危険性リスクの排除をすすめます。
厚生労働省は本日、狂牛病の感染の危険性の高い牛の「特定危険部位」を原料とした加工食品の製造自粛と自主回収の指導を、都道府県を通じて食品メーカーに行いました。
9月22日、千葉県で狂牛病の疑いのあった牛についてのイギリス獣医研究所の診断により、国内で初の狂牛病感染が確認されて以来、厚生労働省が、牛から抽出した成分を使用した加工食品、健康食品などについて、感染の危険性の高いとされる牛の特定部位が混入していないかの確認をメーカーに求めるとしていたことから踏み込んだものです。農水省による狂牛病の感染源とされる肉骨粉についての輸入・製造・流通の全面禁止(10/4)と合わせて、狂牛病をめぐる事態が大きく変化しています。
首都圏コープ事業連合は、今回の狂牛病の発生が、食の安全確保にとって重大で深刻な問題と認識し、9月10日の農水省の第一報発表から直ちに産地の安全性確認を行ってきましたが、本日(10/5)の事態を受け、牛を原料とした加工食品の取り扱いについても、更に危険部位の排除を行います。
【1】加工食品原料について以下のとおり取り組みます。
- 牛を加工原料とした商品では、今年3月にすでに調査をしており、狂牛病発生国と発生リスクの高い国を原産国とする原料を排除してきました。今回の事態を受け再度調査をすすめていました。
- 対象となる「特定危険部位」とは、牛の「脳」、「脊髄」、「目」、「回腸」の4部分です。
- 首都圏コープは今回の事態を受け、加工食品原料となる牛由来原材料の特定危険部位の使用の有無、特定危険部位であっても原産国が狂牛病発生国以外であること、狂牛病の異常プリオンを不活性化されるのに充分な化学的処理や加熱処理がされたものであることを確認します。
- この間、牛を原料にした加工食品について、原材料の調査を続けています。昨年12月の厚生省通達に従って国産の原料を基本に切り換えてきた経過があります。
- 現在、日本生協連もビーフエキスなどを原料として使用しているコープ商品の調査作業をすすめており、10月3日現在の調査状況の一覧表を入手しています。
- 牛を使用原料とした個々の商品の使っている部位、原産国の確認を早急に完了し、国産牛を原料としたものについては代替え原料への切り換えを要請します。
- 10月5日付の厚生労働省通達に沿って10月8日(月)からの供給分については、以下のとおり対応させていただきます。
【基本】
- 今回の通達を受け、首都圏コープでは、「牛由来原材料に特定危険部位の排除」が確認されていない商品の供給を見合わせます。従って、一旦供給中止処置をとり、排除が確認された段階で供給を再開します
- 従いまして供給する商品は排除が確認された商品です。
- 尚、特定危険部位が含まれていることが確認できない商品は直ちに代替え商品の開発に入ります。また、確認に手間をとると予想された場合も、新たに商品開発に入ります。但し、開発範囲は、牛由来原材料の代替え処置も含みます。
【これからの対応】
- 「牛由来原材料」使用の商品のリストアップは既に終了しました。
- 上記リストに基づき、取引先に対して全力を挙げて商品の仕様確認を急いでいます。
- 排除が確認された商品から供給します。
- 10月8日からの供給分で該当する商品は、約60アイテムあり、確認された商品から順次供給します。
- 10月8日からの供給分で原材料を確認した商品は、約60アイテムありましたが、確認できないもの1アイテムのほかはすべて問題ないことが判りました。(10月6日追記)
【組合員の皆様へのお知らせ】
首都圏コープグループの供給姿勢を、配達時のチラシ及び、ハガキでお知らせします。
【2】首都圏コープの産直牛肉は4産地で生産しており、全て素性も飼料も確認された安全なお肉です。「肉骨粉」は使用しておりません。安心して生協の産直牛をご利用ください。
首都圏コープの牛肉産地は、ノーザンビーフ(北海道十勝など)、こんせん牛(北海道根釧地区)、薄農場(北海道上士幌)、米沢郷牧場(宮城・山形県)の4産地です。いずれも飼料には問題ないことを確認しています。
【3】豚や鶏の飼料についても肉骨粉の全面排除を産地と確認しています。
首都圏コープは、豚肉や鶏肉の産直産地についても飼料への肉骨分の混入がないか、点検を行ってきました。これまで牛以外の豚や鶏については、肉骨粉の使用が認められてきたことから、豚肉・鶏肉・鶏卵の生産者で飼料の一部に肉骨粉の配合が認められましたが、現在は使われていないことを確認しました。
【4】首都圏コープの牛乳産地は全ての農家で肉骨粉を使用していないことを確認しています。
牛乳・乳製品は、世界保健機構(WHO)及び国際獣疫事務局(OIE)により感染リスクが実質的になく安全であることが評価されています。首都圏コープの産地は以下のとおりです。
| 1. 「こんせん72」(北海道根釧地方)
2. 「うしさんのおちち」「COOP低脂肪乳」「HTSTCa低脂肪乳」(埼玉県秩父及びその隣接地域)
3. 「ノンホモ低温殺菌牛乳」(神奈川県津久井郡) |
【5】「the ふーど」商品は、肉骨粉を一切使用しておりません。
組合員と生産者で共に育てている「theふーど」商品の牛肉、豚肉、鶏肉、鶏卵の飼料には、肉骨粉を一切使用しておりません。
【6】化粧品は、牛胎盤より精製した「プラセンタ」の使用を止め、9月までに処方の切り換えを完了しています。安心してご使用いただけます。
首都圏コープでは、狂牛病感染の恐れのある部位の使用を速やかに切り換えてきました。牛の皮より抽出した「コラーゲン」と、牛の胎盤エキス「プラセンタ」を原料とした化粧品の配合原料の変更を行い、9月までにすべて処方変更後の商品に切り換りました。対象となった商品は以下のシリーズです。
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1. 「水の彩」 |
*コラーゲンを魚由来に変更(1品目/2月) |
2. 「アクアエセンティエ」シリーズ |
*プラセンタエキスをブタ由来に変更(11品目/3月) |
3. 「ハイム」シリーズ |
*プラセンタエキスを排除(3品目/6月) |
4. 「ささらぎ」シリーズ |
*プラセンタエキスを排除(5品目/9月) |
【7】首都圏コープグループは、一丸となって狂牛病問題の解決に向けて、取り組みを進めます。
国内で初の狂牛病に感染した牛が千葉県内で見つかったことを受け、狂牛病対策本部を設置しました。狂牛病に関する詳細な情報の収集と分析、専門家によるアドバイスを受けながら組合員の皆様の安全の確保に努めています。
狂牛病対策本部は、加工食品の危険性リスク排除、家畜飼料の飼料DNA検査など追加調査を速やかに行い、組合員の不安に対し、必要な情報を迅速にお知らせします。
- 現在すすめている畜産現場の調査と対策、狂牛病関連の疑いのある食品の安全調査を丹念に行うと共に、食の安全に関わる重大な問題として、首都圏コープグループ全体で直面する課題に取り組みます。
- 国や県に対し、狂牛病対策を強化するよう全国の生協とも連携し、連合会と会員生協のグループ一体となった要請行動を行います。今回の事態は、社会的な食の安全への保証の仕組みが必要なことが示されました。消費者、生協組合員による食の安全を求める声を集めていきます。
- 国産牛肉への不安と不信が広がっています。安全で信頼できる生産を行っている産直生産者も「風評被害」を受け、経営危機に直面しています。本来の「顔の見える関係」「生協の産直」をベースとした「安全な食の調達」を守るため、組合員の皆様にも冷静で正確な情報に基づいた行動をお願いします。
- 狂牛病関連の情報の集約と発信は、確実な情報の伝達に努めます。生協を利用される組合員の皆様が不安にならないよう、丁寧な情報発信を行います。
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