遺伝子組換えとゲノム編集

不確かな
安全性から食を守る

遺伝子組換え作物は、私たちの気付かないところで多くの食品に使われています。パルシステムは、遺伝子組換え作物やそれを主原料とした食品は原則取り扱いません。また、ゲノム編集食品の不使用を追求します。

何が問題?
遺伝子組換え

遺伝子組換えは、例えば、除草剤への耐性を持つバクテリアAの遺伝子、害虫への抵抗性を持つバクテリアBの遺伝子、乾燥への耐性を持つ植物Aの遺伝子などをとうもろこしなどの作物に導入することができる技術です。

遺伝子組換えとは、ある生物に別の生物由来の遺伝子を組み込むことで、新しい性質を持たせることができる技術です。病気や害虫に強い作物を生み出すことができますが、長期的な安全性は不透明。生態系への影響や種子企業による種子の独占につながるなどの懸念があります。

遺伝子組換えは、例えば、除草剤への耐性を持つバクテリアAの遺伝子、害虫への抵抗性を持つバクテリアBの遺伝子、乾燥への耐性を持つ植物Aの遺伝子などをとうもろこしなどの作物に導入することができる技術です。

世界で栽培されている主な遺伝子組換え作物は、大豆、とうもろこし、綿、菜種の4種。日本はこれらの作物の大半を輸入に依存しており、世界でもトップレベルの遺伝子組換え作物の「消費大国」といわれています。

世界の遺伝子組換え作物の栽培面積の推移

世界の遺伝子組換え作物の栽培面積は、1996年には0haだったのが、2019年には1億9,040万haに増えました。

資料=農林水産省(2022年)「遺伝子組換え農作物の管理について」、ISAAA (2020)「ISAAA報告書」より作成

日本への最大輸出国における遺伝子組換え作物の作付割合

  • アメリカの遺伝子組換えとうもろこしの作付割合は92%です。
  • アメリカの遺伝子組換え大豆の作付割合は94%です。
  • カナダの遺伝子組換え菜種の作付割合は95%です。
  • アメリカの遺伝子組換え綿の作付割合は98%です。

資料=農林水産省(2020年)「我が国への作物別主要輸出国と最大輸出国における栽培状況の推移」、ISAAA (2020)「ISAAA報告書」より作成

遺伝子組換えにNOを

パルシステムでは、遺伝子組換え作物やそれを主原料として使用された食品は、原則として取り扱わないこととし、消費者が選択できる表示を求めてきました。商品カタログなどでは、遺伝子組換え対象作物[1]を使用している商品について、2023年4月から新たに5種類のマークを表示しています[2]

GMO不使用

主原料および副原料において遺伝子組換え原料を排除し、検査においても不検出の商品

圧搾一番しぼり菜種油

原料菜種の産地は南オーストラリア州のカンガルー島。本土が次々と遺伝子組換えに移行するなか、遺伝子組換えでない菜種の栽培を続けている。

GMOにNO!

生産・流通・製造段階において遺伝子組換え原料を排除した商品。主原料および副原料いずれかで遺伝子組換えの混入を防ぐため、分別生産流通管理している商品[3]

冷凍たいやき

しっとりとしたあんを作るには、水あめが必要。その原料となるじゃがいもでん粉や、皮のミックス粉のぶどう糖も分別生産流通管理された原料を使用している。

GMOにNO!

牛乳、鶏卵、鶏肉等の飼料において遺伝子組換え作物の混入を防ぐため分別生産流通管理している商品[4]

いわて奥中山高原の低温殺菌牛乳

産地は、岩手県北部の奥中山高原。分別生産流通管理した飼料を使用し、牧草や飼料用とうもろこしなど粗飼料は約70%自給している。

GMO副不分別

原料のなかで水を除く、構成比が5%以上のものは対象外の原料を使用しているが、5%未満の原料に不分別の原料が使われている

GMO不分別

原料のなかで水を除く、構成比が5%以上のものに、不分別の原料が使われている

  • 1.大豆、とうもろこし、じゃがいも、菜種、綿実、アルファルファ、てん菜、パパイヤ、からしな
  • 2.遺伝子組換え対象作物を使用していない商品および青果・酒には表示しません。原料のなかで水を除き、構成比が5%以上を主原料、5%未満を副原料とします
  • 3.ただし主原料が不分別の場合は、不分別
  • 4.飼料の分別生産流通管理は、とうもろこしが対象

そのほかの商品

遺伝子組換え作物に頼らない商品づくりは、産地やメーカーの協力なくして実現できません。

産直大豆の厚あげ

厚揚げにする豆腐は、遺伝子組換え大豆不使用。さらに、揚げ油に使う菜種油も遺伝子組換えでない原料に限定している。

産直大豆の小粒納豆(たれ・からし付)

北海道産の小粒大豆を使用。添付の調味料も遺伝子組換えでない原料にこだわり、化学調味料不使用で仕上げている。

国産丸大豆しょうゆ

国産の丸大豆を使用。パルシステムは、しょうゆや植物油など遺伝子組換えの表示義務がない商品についても表示している。

コア・フード平飼いたまご

地面を走り回る健康な鶏が産んだ卵。遺伝子組換え農作物の混入を防ぐため分別生産流通管理した飼料を使用(未利用資源を除く)。

餃子にしよう!

あんの豚肉とキャベツをはじめ国産原料にこだわり、しょうゆやつなぎとなるコーンスターチは分別生産流通管理された原料を使用。

いちごジャム(プレザーブ)

国産いちごの果実感を残したプレザーブタイプ。砂糖原料には、適切に分別生産流通管理されたてんさいを使用している。

素材で選ぶマヨネーズ(卵黄タイプ)

マヨネーズの主な原料は油と卵。油には一般的に植物油が使われるが、本品は適切に分別生産流通管理された菜種油を使用。

食べて広げよう

商品を選ぶことが、
「遺伝子組換えにNO」を広げる力になります。

Salad

えびとポテトの
ジェノベーゼサラダ

ジェノベーゼソースをからめて風味よく ジェノベーゼソースをからめて風味よく

Stir fry

台湾風
そぼろ野菜炒め

厚揚げでコクも食感もアップ! 厚揚げでコクも食感もアップ!

Topic

ゲノム編集食品にもNO!

ゲノム編集は、生物の遺伝情報(ゲノム)を自在に改変できる新しい技術。品種改良を効率化したり、新しい機能を備えた食品を開発したりするなど、従来の育種に代わる技術として応用研究が進められています。

しかし、遺伝子組換えと同様に人体への影響は不透明なため、パルシステムは、表示の義務化を求めるとともに、ゲノム編集食品の不使用を追求します。

開発が進んでいるゲノム編集食品の例には、肉厚で可食部分が多い真鯛、血圧上昇を抑制する成分を含むトマト、アレルギー物質が少ない卵、収穫量が多い稲などがあります。