三枝子かあちゃん産地だより

苗字の八月朔日は、ほづみと読みます。なんでも、祖先が旧暦の8月1日に穂を摘んで豊穣を祈願したことからこの名前がつけられたと聞いています。私の実家はここから30分くらいの筑波山近くにあり、とうちゃんとはお見合い結婚。農家はやらなくていいからと言われ、保育士のアルバイトをしていました。農業をやるきっかけは、子どもが生まれて手が離れたころ、とうちゃんが勤めを辞め農業を専業にしたので手伝いが必要だと思ったから。でも、子どもが大きくなるまでは作業はとうちゃんが中心でした。
子どもは4人です。上3人は女の子で、3女が近くの梨農家に嫁いでいます。4人目はとうちゃんも待望の男の子でした。うちでは遊びも仕事も一生懸命やろうということで、子どもたちが幼稚園に上がるころ、とうちゃんは居合い道、子どもと私は剣道を習い始めたんです。ついつい始めてしまった剣道は2段で、この前までは教えていましたが、今は週2回夜にヨガを習っています。とうちゃんも「行ってこい!」と気持ちよく送り出してくれます
今年の夏は暑い日が続き、また台風で野菜がダメージを受け、秋野菜の出荷が思うようにいかず苦労しています。早く回復するよう、キャベツの追肥や大根の土上げに精を出しています。現在、人参や大根の疎抜き(間引き)をしています。天候に左右されるのでなかなか大変です。また、消毒を減らしたりしているので、お店で売っているものよりちっと形が悪かったり、葉っぱに虫の穴があいていることがありますが、安心して食べていただけます。ちっと見た目が悪くてもいつも買ってくれてありがとう、組合員のみなさん。
息子は23歳で後継者です。高校卒業後、農業の短期大学に入り果樹を専攻。その後、長野の果樹農家で1年研修し戻ってきました。本人はぶどうの栽培や観光農園みたいな、自然に触れて果樹や野菜が収穫できるようなことをやりたいようで、いま自分でぶどうを育てています。10月初めに茨城県の研修制度でヨーロッパに行き、刺激を受けて帰ってきました。
息子を含め3人で作業するようになって仕事もはかどるし、やれることも増え、また、なによりも楽しいです。若いなりの意見も出してきて、それに対して私たちも考えを言い合ったり、また参考になることもあります。もちろん、ぶつかることもありますが、3人で温泉巡りしたり、農業について話したり、息子の夢を聞いたりするのが楽しい。今とても充実しています。2人へメッセージですか? とうちゃんへは、「このまま仲良くやっていこう」、息子の勝久には、「いろいろな人のやり方を見たり聞いたりして農業を究めていってください」と言いたいです。
とうちゃんから、かあちゃんへ メッセージ。

始めのころは失敗もしていたけど、最近は、種まきや間引きなどこまい仕事はかあちゃんがばっちりしっかりやってくれるので、安心して任せてほかの仕事をしたり、出かけられるようになりました。よくやってくれると思っています。(夫の八月朔日 孝吉さん)
〈産地紹介〉
「JAつくば市谷田部」は、筑波研究学園都市に隣接し、商業と農業が共存する地域で、最近は住宅地も増えてきている。パルシステムとの産直は20年になる。