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ホーム > 産直へのこだわり > 俺達の夢  無茶々園 片山 無さん

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次世代を担う 産直産地“若手生産者”紹介 俺達の夢

【第9回】   無茶々園 片山 無(れい)さん

大好きな農作業だけに埋没しないよう
自由さを持って、自分の道を模索中!

東京の大学に進学しそのまま就職したけれど、このままでは自分がだめになると思い半年くらいで逃げ帰ったという無さん。農業だけにどっぷりつかるのではなく、いろいろなことをやってみたいと模索中。でも、農業の先輩たちからは、まだ勉強も修行も足りない! と叱咤激励されているとか。発展途上の悩み多き青年の声を伺いました。

片山 無さん

いま28歳です。現在、ファーマーズユニオン天歩塾(てんぽじゅく)という、無茶々園の新規就農者育成機関であり、新しい農業の形態を模索する施設で、研修生、スタッフも含め6人くらいで共同生活中です。ここでは柑橘や野菜などの農作業や出荷作業、ほ場整備などのほか、掃除、家事などもみんなで共同作業。天歩塾は、最近は百姓を目指す者ばかりでなく、農業と関連する仕事をしたい人、日本の農業を学び自国で生かそうとする海外研修生、「流れ流れて無茶々園」という者までおりますが、でもみんなここにいる間は、早朝から汗を流して働いとります。ネオンもコンビニもないこの里に住み、転げ落ちそうな段々畑、石だらけで果てしない野菜畑で真っ黒になって帰ってくる日々を送っています。

僕は東京で就職したのですが、自分の必要性がなくなっていくような危険を感じ、半年くらいで戻ってきました。そして天歩塾に入り、尊敬できる研修生に出会いました。その人は、今ではちゃんと百姓になり長野でがんばってますが、やりたいこともきちっと持っていて説得力がありました。憧れて僕もここで農業をやっていこうと決めました。

僕の主な仕事は、天歩塾のスタッフ兼野菜と堆肥をつくること。堆肥は畜産農家から屎尿をもらいつくります。つくるのは大好きですが、野菜は試行錯誤でやっていることもあり、失敗続き。もっとしっかりとした計画を立ててやるようにといつも大津専務から言われ、明日からは合宿させられます。

悩みは仕事に追われていること。だから自分や組織にあった適正規模については真剣に考えます。農業以外のこと、絵画や音楽鑑賞、旅行、近所のおばちゃんに伝統の狩浜がすりを教わったり、地域の子どもと遊んだり、地域の人と酒飲んだり、行事に参加したりもしたい。僕の地域はおもしろいものをまだまだ発見できます。普通の人たちの普通の生活のなかに、経験や知恵、伝統、発想などが息づいています。たとえば、「この地域じゃ自分の畑の下の畑は何を植えるか見とかんといかん。下の人がたばこを作ったら、じゃがいもは植えられない」って聞かされ、地域の持つ知恵のすばらしさを感じ大事にしたいと思いました。近所の人と話す、酒飲みに行かしてもらう、れいくん!と村の子どもが遊びに来る(地域を変えるにはまず子どもから!と遊んでいる)。地域のそんな恩恵を受け、僕はここで自分の存在を確認しているのだと思います。

そんな意味でも僕は農業を基本にしながらも、いろいろなことを生業にできる農民になりたい。だから、農作業だけに埋没はしたくないと思っています。それをするには農業をいちばんにしなくてはいけないということはわかっているつもりですが、まわりから見るとまだまだ甘いと言われています。

祖父母の時代は食料不足などから純粋に大量生産、いわゆる「腹を満たす」の発展であったと思います。次の父母の時代、大量生産の綻びに対し安全、安心な「食」に移り変わったように思います。そして、物と情報に満たされた僕たちの時代は、交流と理解、そして楽しみ、というところに行き着くのではないでしょうか。僕は「味わう」時代と考えています。そのことを説明すると数カ月くらいかかりそうなのですが、端折れば、みかんを盛る器、壁に掛かる絵、漂う香りと音までをひっくるめた、かっこよく言えば「明浜の汐味のするみかん」を創ること、これがいまの僕の夢です。

▲園地

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無茶々園
http://www.muchachaen.com/

【紹介】
1974年に設立。「大地と共に心を耕せ」をキャッチフレーズに、明浜の80軒以上の農家が地域ぐるみで、除草剤や化学肥料を使用せず、農薬をできるだけ使わない農業に取り組んでいます。
※ファーマーズユニオン天歩塾
無茶々園の就農研修生受け入れ機関として、また、次代を担う若者達に夢とロマンの持てる農業を開拓するため、1997年に設立。生産者の手伝いと、天歩塾が管理する農場での作業のほか、出荷作業や圃場整備などを行っています。やっと歩き始めた子どもがはしごに登ろうとするさまを「てんぽ」なことをすると言い、その意味合いを名前に託しているそうです。

【所在地】
愛媛県西予(せいよ)市明浜(あけはま)町狩浜(四国南西部の宇和海と標高400m前後の山に挟まれたリアス式海岸にあり、全体が南向きの斜面でみかんの栽培適地)

【主な生産物】
柑橘類、柑橘類加工品、海産物、真珠製品、野菜など


▲ファーマーズユニオン天歩塾のみなさん

農業の先輩から 斉藤達文さん

農業の先輩からのメッセージは、直筆で書いてもらいました(下)。斉藤達文さんは、無茶々園の名付け親で、お祭りの神と呼ばれています。僕の憧れで、尊敬する農民です。

(以下はメッセージを転記)
どげなっちょるがぞ、男はかめばかむ程 味がする人になれといわれちょったけど、今頃の若いもんは 話すればする程 スカンポンやけん。今の時代 情報と喧騒の中に日常が流れるけん、刹那的になるがよ。大事なのは 汗をかけ、お日様の下(もと)で体汗を出せ。 汗かけば血は流れ 脳も浄化され 正常位置から発進できる。 青年よ!正常位をめざせ!!

 

* 本ページの内容は2007年11月時点の情報です。最新の情報とは異なる場合があります。 あらかじめご了承ください。

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