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ホーム > 産直へのこだわり > 俺達の夢 (有)花咲農園 武田 泰斗さん

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次世代を担う 産直産地“若手生産者”紹介 俺達の夢

【第8回】(有)花咲(はなさか)農園 武田 泰斗(たいと)さん

米も牛も勉強しながら自分なりのやり方を見つけていきたい。

2005年の生産者消費者交流会でインタビューさせていただいたときは、ふるさと大潟村に戻って後は継いだものの…という、ちょっと不安げな青年でした。その青年に今回奇しくも取材。あれから2年が経ち、青年はどのように成長したのでしょうか!

武田 泰斗さん

今年28歳、Uターンして7年経ちました。陶芸をやめて実家に戻ってはみたものの、農業をやっていこうという気持ちがあったわけでなく、戻ったときにちょうど兄が東京の専門学校に入ったため、手伝いみたいな感覚でした。家の手伝いは小さいころからやっていたし、ほかにやることも見つからないのでやってたんですが、少ししてから若い人たちと農業について話したり、花咲農園の戸澤代表に誘われて栽培研究会に参加し、少しずつおもしろくなっていきました。親父とは最初はいろいろ教わったりして、そこそこ話はしていたのですが、親父だと、どうも素直になれなくて、今は若い人たちと話したり教わったりするほうがおもしろいです。

自宅では米のほか、肉牛も100頭ほど飼育しています。牛がいると外出もままならず、また、4〜5月の農繁期はいろんなことが集中し大変。親父が2年ほど前に手を怪我して仕事ができなかったときは、参りました。これまで親父と母親二人でやっていたんだよな、すごいなって思いました。でも、牛はおもしろいので、両方やっていけたらと思っています。牛もよい肉質をつくるのが大変なのですが、米も品質のよいものをつくるには僕自身まだまだわからないことや課題があります。大きな悩みは雑草。種ができたら、なるべくすべて取るようにしているのですが、たまに残してしまうと、次の年の田んぼは雑草で悲惨なことになります。毎年の雑草との格闘では、田んぼを替えたい!と思うほどです(笑)。日々、作業日誌をつけながらがんばっています。

研究会は農業の勉強や、経験談を聞いたり、アドバイスももらえたりして、予想外におもしろかった。大潟村にはいま30くらいの研究会があるのですが、僕は2つ入っています。ひとつは、田植えの後、6月くらいから出穂の時期まで10日間隔でほ場をまわり、茎の数を計って収量を予測するという生育調査の研究会です。調査をしながら経験者から、肥料のやり時や水の管理のしかたなどを教わっていきます。人の田んぼを見れるのはおもしろいです。うちのはヘドロ層だけど、研究会の人によっては、砂地や固い土などもあり、そうなると肥料のやり方も違ってきたりして、奥が深いなあと感動してしまいます。農業についてもっと知識を増やしていきたいです。

親父に対しては、生意気かもしれないけど、ここちょっとこうしたら…と思うこともあります。以前話したら、「なんとかなるんじゃないか」って言われて、なんか最近、親父とは話してないんです。親父は親父で僕に対して、「もう少し働け」とか、言い分はあると思っていますけど(笑)。いつかは親父と対等に米づくりの話をしてみたいとは思いますが、今は、若い先輩らの話のほうが素直に聞ける自分がいます。

生産者消費者交流会や若手生産者交流会に参加させていただき、勉強になったり刺激を受けたりしています。

有機栽培の田んぼの除草機作業風景

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(有)花咲農園

【紹介】
1998年4月に、「作る人も食べる人も楽しい」をキャッチフレーズに発足。食べていただく方の安全、安心と、次代を担う子どもたちに引き継げる豊かな環境に配慮し、有機認証、特別栽培認証米づくりに取り組んでいます。環境創造型農業の先進地域で、生きもの調査なども行っています。代表は戸澤藤彦さん。かつて日本で2番目に大きかった八郎潟という湖を干拓してつくった大潟村の一画にあります。

【所在地】
秋田県南秋田郡大潟村

【主な生産物】
ふーど米、エコ・チャレンジ米、にんにく、青大豆ほか

水路で生きものの捕獲に夢中
こが虫の会(大潟村の任意団体)の田んぼの生きもの調査にて。花咲農園の生産者も参加しています。

農業の先輩達から  (有)花咲農園 戸澤 藤彦さん

金谷 雅幸さん大潟村は後継者に恵まれていると思う。一度外へ出ても戻ってくる。泰斗みたいに、兄が戻らないときは弟が継ぐというパターンも多い。親の背中見て、農業の楽しさ、やりがいを感じ、帰ってくるのではないか。親父は親であり、師匠である。親子だと反発することもあるが、違うことをやって失敗し、また親の経験の深さを知る。自分は親にはかなわないと思っているよ。

作り手としては、消費者の顔が見えないとけっきょく市場流通と同じだと思う。食べ物を通じて、生きる力を消費者に伝えられたらうれしい。都市に住む人も、地方に住む人も、ともに生活者として農業を理解しあい、食べることを通じてお互いの距離を縮めることができたらと思う。泰斗たちにこの意味についてよく考えてもらいたい。

これからは、百姓同士でしか話をしないのではなく、百姓にどっぷりつかってしまうのではなく、もっと視野を広くし、アンテナを張ってほしい。せっかく農業以外の世界も見てきたのだから。自分たちで考え、どんどん提案し、自分たちで未来を開いていくことを期待している。

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