米も牛も勉強しながら自分なりのやり方を見つけていきたい。 2005年の生産者消費者交流会でインタビューさせていただいたときは、ふるさと大潟村に戻って後は継いだものの…という、ちょっと不安げな青年でした。その青年に今回奇しくも取材。あれから2年が経ち、青年はどのように成長したのでしょうか! 武田 泰斗さん
研究会は農業の勉強や、経験談を聞いたり、アドバイスももらえたりして、予想外におもしろかった。大潟村にはいま30くらいの研究会があるのですが、僕は2つ入っています。ひとつは、田植えの後、6月くらいから出穂の時期まで10日間隔でほ場をまわり、茎の数を計って収量を予測するという生育調査の研究会です。調査をしながら経験者から、肥料のやり時や水の管理のしかたなどを教わっていきます。人の田んぼを見れるのはおもしろいです。うちのはヘドロ層だけど、研究会の人によっては、砂地や固い土などもあり、そうなると肥料のやり方も違ってきたりして、奥が深いなあと感動してしまいます。農業についてもっと知識を増やしていきたいです。 親父に対しては、生意気かもしれないけど、ここちょっとこうしたら…と思うこともあります。以前話したら、「なんとかなるんじゃないか」って言われて、なんか最近、親父とは話してないんです。親父は親父で僕に対して、「もう少し働け」とか、言い分はあると思っていますけど(笑)。いつかは親父と対等に米づくりの話をしてみたいとは思いますが、今は、若い先輩らの話のほうが素直に聞ける自分がいます。 生産者消費者交流会や若手生産者交流会に参加させていただき、勉強になったり刺激を受けたりしています。 |
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有機栽培の田んぼの除草機作業風景
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農業の先輩達から (有)花咲農園 戸澤 藤彦さん
作り手としては、消費者の顔が見えないとけっきょく市場流通と同じだと思う。食べ物を通じて、生きる力を消費者に伝えられたらうれしい。都市に住む人も、地方に住む人も、ともに生活者として農業を理解しあい、食べることを通じてお互いの距離を縮めることができたらと思う。泰斗たちにこの意味についてよく考えてもらいたい。 これからは、百姓同士でしか話をしないのではなく、百姓にどっぷりつかってしまうのではなく、もっと視野を広くし、アンテナを張ってほしい。せっかく農業以外の世界も見てきたのだから。自分たちで考え、どんどん提案し、自分たちで未来を開いていくことを期待している。 |