


やっていて楽しくなるような農業を続けていきたいと思います。それは生産者だけでなく、食べてくれる方や地域の人々もいっしょに楽しくなれるような農業です。そして、その輪が少しずつ広がっていけば最高です。
青年部は、2006年10月末にできたばかりのホヤホヤの組織。20代・30代の8名の部員がいます。庄内の地で、農業問題や自分たちの農業のあり方を問い続けてきた庄内協同ファームの生産者の二代目たちが、自分たちの夢を語り、新しい取り組みを模索し始めました。農業の先輩である両親やまわりの生産者たちは、彼らを温かく見守っています。

冨樫 俊悦(しゅんえつ)さんより
これまでときどき、みんなで集まって飲んだり、遊びに行ったりはしていました。青年部については庄内協同ファーム代表の志籐さんから「つくらないか」という話しがあり、2006年10月の末に結成したばかり。メンバーは、石垣忠彦さん、高橋直之さん、紀子さん夫婦、五十嵐勇輝さん、亜紀さん夫婦、工藤祐生さん、今野昭史さんと僕の8人です。農業歴2〜8年ですが、それぞれいろいろな経歴を持っています。最初から農業を継いだ仲間もいますが、工藤くんは「オヤジ、オレ農家しねぞ」って東京の大学を出てそのまま就職し、その後、農業の世界に戻ってきたし、高橋さんとこは紀子さんが長女なので、農業の経験のない夫の直之さんといっしょに家を継ぎ“激動”の日々を体験しているようです。
僕は栃木県の大学の農学部に進学したのですが、農業はまったくやる気がなかった。この時期、うちのオヤジが庄内協同ファームに入ったのですが、夏休みとかで実家に帰ると、オヤジが以前と違ってなんかイキイキと農業やってるんです。それまでは「農業継がなくていいぞ」と言ってたのが、「農業やらないんなら家に帰ってくるな!」と強気!?になり(笑)、オヤジを変えた農業というものに対する見方が少し変わりました。
僕たちはそれぞれで、米、枝豆、しいたけ、桃、ラズベリー、メロンなどをつくっています。それ以外に11月から年末にかけては庄内協同ファームのおもちの製造も手伝っています。パルシステムとのかかわりでは、06年3月の生消協総会、県別交流会、7月の生消協東北ブロック会議、9月の青年農業者交流会へ参加しました。また、田んぼの生きもの調査を、地域のいろいろな団体と協力しながらやっています。みんなとても仲がよくて、いまどんな作業や取り組みをしているかなど情報交換したり、将来こんなことをやりたいという夢を語り合ったりしています。稲刈り後も田んぼに水を張る「ふゆみず田んぼ」をやりたいという仲間、また農業の他にも観光農園などの夢を持っているメンバーもいます。夢がいっぱいあって、それを話し合える仲間がいるのはとても楽しく心強いです。
庄内協同ファームの先輩たちは、両親も含めてすごいなぁと思います。「ふつうのとっちゃんとは違うかな」って、僕が農業を始めて数年経ちその間いろいろなことを経験するなかでの実感。なにもないところからつくりあげた開拓者たちなので、強くて、しなやかで、おおらかだと思います。僕は親から「こんなふうにしてみろ」と言われるのはちょっと悔しかったりもしますが、よーく考えるとズバリの指摘だったり、参考になることも多く、心の中ではすごいなぁと思っています。このような先輩たちに学び、大事にしながらも、僕たちは僕たちで新しいやり方や取り組みを模索していきたいと思います。
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青年部集合写真 |
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農事組合法人 庄内協同ファーム
【紹介】
1970年代、庄内協同ファームの前身、「庄内農民レポート」時代から、さきたまグリーン生協(現・ドゥコープ)との取引があり、それが受け継がれています。生産者は5市町村にまたがり、稲作を中心に、野菜、果樹、農産加工を組み合わせた複合経営です。堆肥づくりや除草、栽培方法について、毎年、さまざまな挑戦をし、その経験を共有化しています。05年度からは、JA庄内たがわ、庄内協同ファーム、みずほ有機米などの農業団体や市民組織で「庄内環境創造型農業推進会議」をつくり、庄内平野に環境と調和した農業を広める活動も行っています。
【所在地】
山形県鶴岡市
【主な生産物】
米、もち、枝豆、柿、メロン、その他 |
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作業風景 もち製造 |
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稲の生育状況を確認しているところ |
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庄内平野と鳥海山 |
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