パルシステムごはん部

ごはんづくりのNEW問答No.17

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2025.1.31

「焼肉のたれ、山椒、オイスターソースなどの調味料を、使いきれずに捨ててしまうことが多いです。かといっていつもの調味料だけだと、料理のレパートリーも増えません。うまく使いこなす調理法はありますか?」(Sさん 30代)

A -anser-

パターンをつかめば、
自然とレパートリーは広がります。

今回の回答者
料理人・文筆家 稲田俊輔さん

レシピに学ぶ、調味料と食材の相性

まずは個々のレシピではなく、使い方のパターンを知ることが大事だと思います。

例えば焼肉のたれは、それだけで味が決まる便利な調味料であり、肉でも野菜でも食材に対して20%程度の量を加えたら味付けが完成します。この場合、肉と野菜の組み合わせは無限ですし、炒め物だけでなく肉じゃがのような煮物にも応用できます。

山椒は要するに「こってりした食材の甘辛い味と相性のいいスパイス」ですから、うなぎだけではなく各種肉類とも相性がいい。オイスターソースは醤油と組み合わせれば、万能と言っていいたれになります。

レシピというものは、その料理を作るためだけにあるのではなく、そういう法則性を知るためのものでもあるのです。

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失敗してもOK。挑戦は経験値に!

逆に言うと法則性を知れば、色々な調味料を買い足さなくても、レパートリーはいくらでも増やせるようになるはず。極端な話、「さしすせそ」、つまり砂糖・塩・酢・しょうゆ・みそくらいでじつは充分だったりします。

和食なら、プロだってそこにみりんと酒が加わる程度。中華だって案外、これだけあれば、かなりさまざまな料理が作れますし、欧風料理に至っては、基本的な調味料は塩・こしょうだけです。

季節ごとの素材を使って、薬味や香味野菜で変化をつけていけば、料理のバリエーションは本来いくらでも広げていけるものなのです。

ただそうなるには、ある程度の経験も必要です。だから今は、もし使いきれずに捨ててしまうものがあっても、あまりクヨクヨしすぎないでください。

何が必要で何が不要かは、失敗も経て、だんだん自分なりの料理スタイルが完成していくはず。僕も昔は、冷蔵庫の奥でカピカピになった豆板醤をよく捨てたものです。

Hint!

自家製調味料なら
自分好みの味に

定番以外の調味料は、いっそ自家製にしてしまうのもおすすめ。基本の調味料があれば、じつは簡単に作れるものも多いです。何より、いくらでも自分好みの味に調整できて、色々な料理に使いやすくなります。
写真は左から、ジンジャーソース、ぽん酢しょうゆ、焼肉のたれ。ぽん酢には生の柑橘を使っています。

今回の回答者
料理人・文筆家
稲田俊輔(いなだ・しゅんすけ)さん

料理人として南インド料理店「エリックサウス」をはじめとする飲食店をプロデュース。その傍ら、レシピ本やエッセイの執筆、SNSでのフォロワーとの質疑応答など、食への愛があふれる発信を積極的に行っている。近著に『現代調理道具論』(講談社)など。

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