ごはんづくりのNEW問答No.15
「小さな子どもが3人いるのですが、それぞれ食の好みが違い、全員に合わせてメニューを考えるのがむずかしいです。自分が食べたい好きなおかずを作っても、不評なこともあり……毎日悩みます。」(Hさん 30代)
みんな満足するなんて無理!
受け流してしまいましょう。
今回の回答者
料理家 今井真実さん
食の好みも個性のうち
先日、友人3人とランチに行きました。ほお、この人はAランチ。私も迷っていたけど……でもBランチにしよう。へえ、この人はデザートまで付けるのね。
結局みんなが選んだものはみんな違って、食の好みって人それぞれだなあと思ったものです。そして、こんなことは珍しくもない話ですよね。
家庭内でも同じこと。お子さんが3人いらしたら、全員が満足できるなんてことはまず、むずかしいはず。食の好みも個性のうちです。それに悩んで、あなたが消耗することはありません。
そして子どもが2人いるわが家もじつはまったく同じ状態。仕方がないとあきらめています。と、それだけでは回答になりませんので、有効だった解決法をご紹介します。
①献立のどこかで、好きなものを分散させる
例えば、Aさんが喜ぶ魚料理を出したなら、Bさんの好物のソーセージを副菜に使うなど、喜びポイントを分散させます。ベビーチーズなど献立に響かないものを添えるのもよいでしょう。
②各自で味付けをする
焼いただけ、ゆでただけの肉類、野菜などを大皿に盛りつけ、食べたい分だけよそい、好きな味付けをさせます。
自分で味付けするという行為は、料理の第一歩のようなものでおすすめです。小皿に調味料を入れてティースプーンでかけるようにすれば、入れすぎて濃い味になることも防げます。
あなたの食べたいものは、作るべき
子どもの好き嫌いや食べる量は、日々変わります。食が細ければ、ほんの小さなひとかけらずつよそって、「これだけは食べてね。好きだなって思ったらおかわりしてね」という形式にしています。大量に残されるということが避けられるので、私の精神衛生が保たれます。
小学校中学年も過ぎると、食べ物の好き嫌いも落ち着く場合が多いですし、原因も言語化できるようになり、意思疎通もスムーズになります。それまでは、「ああ好みじゃないのね」と受け流しましょう。
あなたが食べたいものは、引き続き作るべきです。その好物は、あなただけが独り占めしていいんですよ。
トッピングや調味料でそれぞれの好みに
焼いた肉に、野菜や調味料を添えて。焼肉のたれやケチャップ、粉チーズなど……わが家では大体この味付けを子どもは好み、さまざま組み合わせを試しています。