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パルシステムはエネルギー・原発問題を考えていきます。“いのちのつながり”を、子どもたちに残すために。

Q&A

パルシステムではどんな取り組みをするの?

六ヶ所再処理工場施設ってどういうもの?

使用済核燃料の再処理って何をするの?

もし、事故が起こった場合どうなるの?

原子力発電はこれからどうなっていくの?

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パルシステムは何故「六ヶ所再処理工場」本格稼動の中止を求めるのですか?

六ヶ所再処理工場」は、本格稼動時、民生用では世界最大規模となる年間800トンもの使用済み核燃料を処理し、その過程で、大気中や海中に大量の放射能を放出します。放射能は、工場敷地内の排気塔から空に、沖合3km地点までひかれた放水管から海に放出されます。
しかも、「原子力発電所が1年間で排出する量」に匹敵する放射線をたった1日で放出し、それを本格稼動の予定年数とされる40年もの間、放出し続けることになります。
この事は現地の人びとだけの問題ではなく、豊かな農畜水産物の恵みをうけてきた私たち全体の問題であると考えます。
特に、私たちパルシステムは、これまで、国産産直にこだわり商品を取り扱ってきています。これからも安心して国産の農産物、畜産物、海産物を食べ続けるために、この無意味な再処理計画に反対を表明しています。

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本格的に稼動したら、どうするのでしょうか。生産地の風評被害が心配です。

六ヶ所再処理工場が本格稼動に至った場合でも、継続して中止を求める取り組みを行っていきます。それと同時に放射線測定検査の充実と情報公開を、食の安全、生活環境の安全確保に関して共通の立場としてある生産者と消費者が、不幸な対立構造(風評被害等)にならないよう、適切な方法で進めていきます。

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「六ヶ所再処理工場」に反対し放射能汚染を阻止する全国ネットワークとは?

六ヶ所再処理工場の本格稼動が日本社会に大きな問題を生じると憂慮する消費者・生産者・事業者などの団体・個人によるネットワーク組織です。日本消費者連盟、生活協同組合あいコープみやぎ、生活協同組合連合会きらり、生活協同組合連合会グリーンコープ連合、生活クラブ事業連合生活協同組合連合会、大地を守る会、パルシステム生活協同組合連合会の7団体が呼びかけ団体となり、賛同団体・個人は、漁協、農業生産者、メーカー事業者、サーファーグループ等含めて約600になっており、連携をとりながら集会及び署名行動等の取り組みを行っています。

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パルシステムは日本のエネルギー政策をどう考えているのですか?

国民生活の安全性と経済合理性、持続可資源循環型=環境保全型社会創造、地球温暖化の防止などの観点から、天然ガス・石油・石炭の利用、及び、再生可能な自然エネルギー(風力、太陽光、バイオマス、海洋、地熱等)と水素、燃料電池等の研究開発、省エネルギー技術の発展を図り、エネルギー供給源の多様化を促進し、漸進的に原発への依存を脱していくべきだと考えます。というのも、原発は極めて不安定で、安全性、経済合理性から見ても不完全な技術に基づいているからです。まず、核エネルギーという人類にとって極めて危険なものを制御することの困難さがあります。核エネルギーの利用は絶対的安全性が必要ですが、絶対の安全性など存在しません。そのような技術など不可能なのです。また、地震国日本では、絶対に安全な立地などあるはずがないのです。従って、事故が頻繁に起こっています。そのたびに、日本人は放射能汚染の危険に晒され、事故で停止した原発からの電力供給は止まります。エネルギー供給源としては、極めて不安定であると言わざるをえません。さらに、核廃棄物は半永久的に管理し続けなければならないのです。以上の経済的・社会的コストを考慮するならば、原発は、経済合理性から見ても、極めて問題が大きいと考えざるを得ません。

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パルシステムの放射能測定活動とは、どのようなことを行っているのですか?

パルシステムでは、毎年、70品目前後の商品及び畜産の配合飼料を対象に継続的に行っています。今年度も別紙の品目でセシウム134・137の検査を実施しました。特に2007年は新潟県中越沖地震や六ヶ所再処理工場の本格稼動問題があった関係で、予定品目を一部変更し、柏崎刈羽原発と六ヶ所再処理工場に比較的距離が近い生産物を10品目調査しております。来年度以降も毎年70品目前後を継続して検査していきます。ただし、これは、現状の検査機器・内容を含めて大きな事故の場合を想定したものです。再処理工場の平常運転時には、ヨウ素129、クリプトン85、炭素14、トリチウム、セシウム等の放射性物質が放出されますが、今後、検査機器の充実を含め全国ネットワークと協議をしていきます。

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「六ヶ所再処理工場」を含む施設概要は?

六ヶ所村には使用済み燃料からプルトニウムを取りだすための施設=再処理工場も含めて核燃料サイクル基地と呼ばれる4つの核施設があります。
「ウラン濃縮工場」は天然のウランを濃縮する施設です。「低レベル放射性廃棄物埋設センター」は、原発の運転によって発生する低レベル廃棄物(黄色いドラム缶など)を埋め捨てて最終処分する施設です。「高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター」は、フランスやイギリスに委託した海外再処理(全体で約7,100トン)によって発生した廃棄物を一時的に貯蔵する施設です。現在はフランスから日本に返還輸送された高レベルガラス固化体を保管しています。

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何故、青森県六ヶ所村に核燃料リサイクル基地が建設されたのですか?

もともと電力業界は、六ヶ所村の隣の東通村を本命としていました。ところが、「新全国総合開発計画」の"ハイライト"となるはずだった「むつ小川原開発」が挫折し、企業の誘致・進出も起こらず、広大な土地は遊んでおり、国、青森県、財界が共同出資して設立した「むつ小川原開発公社」は多額の負債に苦しんでいたのです。同「公社」を救済するため、遊んでいる広大な土地、つまり六ヶ所村へと「再処理」施設の建設地を変更するに至ります。野辺地漁協の三国久雄組合長の次の言葉が、上記のような動機による建設地変更の不可解さを示して余りあります。「放射能の気体廃棄物は、六ヶ所村からヤマセに乗って陸奥湾に拡散する。東通村なら太平洋に流れ、陸奥湾には影響ない。わざわざ自然条件の不利な立地を選んだのはどういうわけか」(『原子力工業』1985年2月号)。

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再処理工場は六ヶ所だけにあるのですか?

茨城県の東海村には、「東海再処理工場」があります。1981年1月から本格運転を開始し、2006年通常の運転を終え、「研究開発運転」に移行しました。高燃焼度燃料や「プルサーマル」の使用済み核燃料の試験的な再処理を行なうことになっています。
年間の最大再処理能力は210トンとされているにも関わらず、90トンを超えたことが一回あっただけで、最大実績95.7トンに止まりました。本格運転期間中の平均利用率は、210トンを100%とすると、なんと19.8%という低さです。動力炉・核燃料開発事業団の瀬川正男理事長は、「運転修理に予算のほとんどをかけていて、次の大型工場のためのモックアップ()は一部しかやれなかった」[(『原子力工業』1982年11月号)と述べています。この発言は、「次の大型工場」即ち「六ヶ所再処理工場に移転するはずであった研究開発が果たせなかった、ということを意味しています。また、「六ヶ所再処理工場」は、「東海再処理工場」より1.5倍〜1.6倍も燃焼度(燃料をどのくらい燃やしたかを示す単位)が高い使用済み核燃料を再処理します。燃焼度が高いほど放射能が多く、再処理は困難性を増します。従って、「東海再処理工場」の経験は「六ヶ所再処理工場」には役立たないのです。

モックアップ:性能試験を行なう実態模型

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「再処理」とはどういうものなのですか?「再処理」の目的は?

原子力発電の燃料は濃縮されたウランです。燃える成分はわずか5%にしか過ぎません。燃料としての効率は極めて悪いのです。ウランの資源量は、石炭、天然ガス、石油に遠く及びません。1回使うだけで捨てれば、瞬く間にウラン資源は底を突いてしまうのです。そこで考え出されたのが、使用済み核燃料を再利用するための「再処理」なのです。「再処理」では、原子力発電のため原子炉で使用した核燃料が使用済みとなったものを、「有用物」であるプルトニウムやウランと、「廃棄物」に分けます。ウランは再び原子炉の燃料に加工されます。一方、プルトニウムは高速増殖炉()の燃料として使うことが出来れば、資源の量は60倍になると言われています。従って、高速増殖炉でプルトニウムが利用できてこそ原子力開発は意味を持つのです。

高速増殖炉:
燃料にプルトニウム239を使い、燃やしたプルトニウム239より新しくできるプルトニウム239の方が多くなる、という原子炉です。即ち、燃料のプルトニウム239から飛び出した高速の中性子が、燃料の周りに置かれたウラン238にぶつかることにより、プルトニウム239に転換する、従って、燃料であるプルトニウム239を"増殖"させながらエネルギーを生み出していく、という仕組みの原子炉なので、「高速増殖炉(Fast Breeder Reacter)」と呼ばれます。

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「再処理」の目的は本当に実現できるのですか?

「再処理」によって取り出されたプルトニウムは、ウランとの混合酸化物(MOX)燃料に加工して、高速増殖炉の燃料となります。ですから、「再処理」の最終目的は、高速増殖炉が稼動しなくては達成できません。しかし現実は、高速増殖炉の実用化の目途が立っていません。そもそも、技術そのものが未完成なのです。1995年福井県敦賀市にある高速増殖炉原型炉『もんじゅ』は大事故を起こし、試運転中断。同実験炉の『常陽』も「増殖性能なし」の状態です。高速増殖炉開発が行き詰ったため、回収するプルトニウムを一般の原子炉で使用する「プルサーマル計画」()の実施を考えています。2010年以降に実施が計画されていますが、補助金を目当てに"手を上げた"自治体もありますが、住民の反対が強く、見通しは立っていません。
高速増殖炉は費用がかかる為、欧米では多くの国で開発が中止されています。高速増殖炉の開発は現状では不可能という判断をしており、「再処理」しないで使用済み核燃料をそのまま高レベルの放射性廃棄物とする「直接処分」です。

プルサーマル計画:
プル=プルトニウムをサーマル・リアクター(Reacter=炉)で燃やすことが、「プルサーマル」と言われる。サーマル・リアクターとは、エネルギーの小さい(=速度の遅い、高速ではない)熱中性子(サーマル・ニュートロン)を使う原子炉を指す。つまり、ふつうの原発のことを指します。つまり、普通の原子炉で、プルトニウムを燃やすのが「プルサーマル計画」の意味です。

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「再処理」の目的の実現が困難なのに何故本格稼動しようとしているのですか?

「再処理」の目的の実現が極めて困難にも関わらず、世界でも日本だけが商業用の「再処理」に固執しています。
『「再処理」しないと、原発から使用済み核燃料があふれ、発電を止めなければならなくなる』(2005年9月30日付『日本経済新聞』に引用の東京電力・勝俣社長―当時―)。この発言のとおり、日本全国の原発が抱える使用済み核燃料の貯蔵量は、各原発の貯蔵可能な容量の限界に近づいているのです。しかし、高速増殖炉稼動に見通しがつかないままでは、「再処理」しても、使用済み核燃料や核廃棄物等の核のゴミは貯まる一方です。この問題を処理するために、六ヶ所村が、「再処理」工場、全国の原発から出される使用済み核燃料、「再処理」によってのプルトニウム、ウラン、低レベル廃棄物、高レベル廃棄物―の貯蔵施設に選ばれたのです。「再処理」の最終目的が実現困難でも、プルトニウム貯蔵施設と"核のゴミ捨て場"として、六ヶ所村がなければならないのです。これが実際の目的であったとしても、六ヶ所村の施設は「再処理」をするという目的でつくられているため、"建前"にしても、「再処理工場」を稼動させなければならないのです。また、青森県も、「再処理工場」はあくまでも「生産工場」であり、「核のゴミ捨て場」ではない、という前提で受け入れています。すでに、使用済み核燃料が、各原発から六ヶ所村へ運ばれています。

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使用できないプルトニウムを製造する「再処理」を強行しようとするのは、核兵器製造を狙っているとの疑惑をもたれるのでは?

高速増殖炉開発の現実性がないにもかかわらず、「再処理」に固執し六ヶ所村「再処理工場」の本格稼動を2008年2月に予定し、プルトニウムの製造と貯蔵を計画していることに対して、日本は世界から、核兵器製造・保有の野心を疑われてもいます。核兵器の原料が、高濃縮ウランとプルトニウムだからです。六ヶ所村の「再処理工場」は、設計上、一年で8トンのプルトニウムを取り出す能力があります。この量は核兵器約1,000発分に当たります。
実際、2005年には、アメリカのカーネギー財団が、六ヶ所村「再処理工場」の運転開始の一時停止を求める報告書を出しました。また同年、マクナマラ元アメリカ合衆国国防長官や4人のノーベル賞受賞者、軍縮・核管理の専門家たちが、六ヶ所村「再処理工場」の稼動に対し、核拡散防止の「国際的努力の弊害となる」と警告を発しています。さらに2006年には、超党派核拡散防止タスクフォース共同議長のアメリカ民主党のエドワード・J・マーキー下院議員が、民主党議員4人とともに在米日本大使宛に再処理中止を求める書簡を送りました。
日本は、核兵器を持たず、作らず、持ち込ませずの「非核三原則」を持っています。「再処理工場」が本格稼動すれば、世界から尊敬されているこの日本の核兵器なき平和への姿勢が益々空洞化してしまうのです。

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「再処理」は本当に安全なのですか?

「再処理工場」は、年間800トンの使用済み核燃料を処理し、通常原発が一年で出す放射能をたった一日で放出します。使用済み核燃料3,000トンを貯蔵します。しかも、放射能の放出は、クリプトン85、ヨウ素、炭素、セシウム、ルテニウム等が大気中に、トリチウム、テクネチウム、セシウム、アメリシウム、ヨウ素、プルトニウム等が排水に混じり海水中に、発生したものが全て放出されるのです。150メートルの煙突(気体として解放された放射性物質)と沖合い3キロの水深44メートルの海底に設置した配管(液体として解放された放射性物質)から排出するので拡散されて問題ない、と、国や事業者からは説明されています。しかし、大気の動き、海流の動きから予測すると、極めて広範な範囲に有害な影響を与える可能性が高いのです。
六ヶ所村付近では、津軽暖流が陸に沿って流れているので、沿岸部は放射能で汚染される確率は高い。2002年「再処理止めよう!全国ネットワーク」が行なった『流すクジラ作戦』(約1万枚を海に流し、「再処理工場」が海に放出する放射能がどのように広がっていくかを調査)では、三陸に止まらず、北海道から千葉までハガキが漂着しました。
環境に“垂れ流される”放射能は、人間はもとより、全ての動植物に及ぶのですから、当然人間が摂取する食物からも人体に入ります。イギリスやフランスには再処理工場があります。工場の周辺では、放射能による海の汚染や魚介類の汚染に止まらず、周辺地域に住む子供たちに白血病が多発しています。放射能の影響を受けやすいのが子供たちです。

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「再処理」は経済性から見て成り立つのですか?

六ヶ所「再処理工場」建設費の当初見積もり(1989年3月事業許可申請時の見積もり)は7,600億円でしたが、最終的には2兆1,900億円、つまり3倍以上に膨らんだのです。今日では、追加工事や補修でさらに増えています。また、電気事業連合会の試算では、六ヶ所核燃料サイクルの総コスト19兆円、「再処理工場」分だけで11兆円かかるとなっています。これまた3倍以上の60兆円とならない保障はありません。消費税1%で2兆5,000億円です。「再処理」事業では、国民の皆が何も知らないうちに、消費税の何%が上がっていたということになっているのです。国民負担はどんどん増えているのです。
このような膨大な負担を国民に“血税”として強いながら、肝心の「再処理」の目的の実現の見通しが立っていないのでは、「再処理」事業に経済合理性はなく、エネルギー政策上、事業を続ける必然性と必要性はないと言わざるを得ません。

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どのような事故が起こりうるのですか?

「再処理工場」では、高い放射能レベルのもとで引火性の高い有機溶媒や濃硝酸を扱うため、火災や爆発事故が起き易いのです。また、プルトニウムが濃い溶液として存在していますので、臨界事故(※1)も起こり得ます。
放射能の大部分は、硝酸溶液の状態で廃液貯蔵タンクに貯蔵されます。放射能は高熱を発し続けるので、掻き回して冷却をしながら貯蔵します。この冷却系の装置が故障したら、廃液は沸騰し、水分が蒸発して、大量の放射能が気化しつつ大気中に放出されてしまいます。1980年4月15日、フランスのラ・アーグ再処理工場でこの一歩手前の事故が起きました。また、「ウラルの核惨事」と呼ばれている事故が1959年9月29日ロシアのチェリヤビンスク再処理施設で発生しています。冷却系の装置の故障が廃液の爆発事故を招いたのです。
これとは別の外部要因による事故も想定しなければなりません。大地震に襲われる場合です。敷地の真下か沖合いで巨大地震が発生する可能性があるのです。また、航空機が墜落してくる可能性もあります。六ヶ所村上空は、自衛隊と米軍の軍用機が年間4万回以上も飛び交っているのです。
現在、「アクティブ試験」(※2)と称する試運転が行われていますが、この段階ですら、事故・トラブルが続いています。「再処理」推進の立場にある専門家ですら、商業用に至る手前の段階である「実証プラント」(※3)という現状認識をしています。つまり、技術的には実用に耐え得ない未完成のものなのです。これでは、「安全性」の担保など、はるか先のことと言わざるを得ません。

※1臨界事故:
「臨界」とは、核分裂の連鎖反応が自発的に持続する状態が保たれていることを指します。原子炉では意図的に「臨界」にしているが、意図しないにも関わらず「臨界」が起こるのが「臨界事故」です。

※2アクティブ試験:
本格稼動(本格操業)を前にして、2006年3月31日から開始された、使用済み核燃料を使って行なう最終的試運転のことです。

※3実証プラント:
実用=商業用施設の手前で、技術の実証と機材製の見通しを立てるための施設。

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事故が起こった場合、どのような被害が生じますか?

『原子力資料情報室』の研究があります。使用済み核燃料貯蔵プールで放射能放出事故が起きた場合を例にとって、住民の被爆線量を計算し、健康被害の状況を考察したものです。想定したのは、使用済み核燃料貯蔵プールに最大貯蔵容量3,000トンを貯蔵、貯蔵全放射能の1%に当たる30トンの放射能が環境中に放出された場合です。結果は、半数致死線量(住民の半数が死に至る線量)を3シーベルトとすると、その影響が及ぶ可能性がある範囲は134.4キロメートルに達しました。急性障害()を引き起こすと考えられる250ミリシーベルトの被爆線量では691.1キロメートルとなります。これは東京都にも被害が及ぶことを意味します。

急性障害:吐き気、目まい、脱力感、脱毛など。

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日本にはどのくらいの原発があり、どのような管理運営がなされているのですか?

日本にある原発は、運転中55基、建設中2基、改造中1基、安全審査中4基、閉鎖2基、です。原子力行政の最高決定機関は、原子力基本法に基づき、原子力委員会と原子力安全委員会の二つあります。原子力委員会は、国の原子力の研究・開発・利用を企画・審議・決定します。但し、安全の確保についてのみ、原子力安全委員会の担当になっています。しかし、実質的には経済産業省が握っており、一部を文部科学省が所掌しています。経済産業省では、大臣の諮問機関である総合資源エネルギー調査会が事実上の政策決定を行なっています。また、同省の外局である資源エネルギー庁の原子力保安院が原発等の安全規制を担当しています。もちろん同庁は原発推進行行政を行なうことが任務です。このように、経済産業省が、推進と安全の両方の行政を行なっているのです。これでは、安全性を担保するに耐え得る管理体制とは言えないでしょう。

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日本で原発が今なくなったら、エネルギーはどうなるのですか? 電気は?

日本の電力需要の35%を原発が賄っていることは事実です。ですが、何故35%なのかを考えると、原発に頼ることの問題点がたいへん大きいということに気付きます。原発は出力の調整できない小回りの効かない発電です。フル出力か、運転停止かしかない発電の仕組みだからです。一方、電力需要は刻一刻と変化するので、出力調整の効かない原発だけでは対応することが出来ないのです。そこで、調整用に、水力、火力の発電所が作られるのです。一方、原発をフル稼働させると、せっかく作った火力、水力の発電所を遊ばせざるをえなくなります。電力会社としては、遊ばせると利益が出ないので、今度は、電気を使わせて、施設を遊ばせなくてもいいように、社会生活的に無駄だと思われる電気の使用をしてもいいから無理やり電力需要を増やすよう営業することになるのです。このように、原発の電力需要シェアを増やす悪循環をつくりだしてしまっての結果が、無理と無駄を重ねた末のこの35%なのです。無理と無駄の構造をなくせば、電気の確保はできないはずがありません。

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世界の国々のエネルギー・原発政策はどうなっているのですか?

日本、アメリカ等の先進国は、原発の増設をする方向にはありません。むしろ、BRICs等新興経済発展国への原発の輸出を精力的に策しています。先進国が総体としてエネルギー安全保障を国策の中心に据えている中で、日本だけがこの観点が極めて弱いと言わざるを得ません。アメリカは、CO2削減への積極的姿勢に転じ、「中東石油からの依存脱却」を目指す化石燃料の確保と同時に、バイオ燃料、再生可能なエネルギー、水素燃料等の先端技術開発を進めていく方針です。アメリカが2006年2月6日、GNEP(国際原子力パートナーシップ)構想を発表したことを以って、一部でアメリカが「再処理」を復活した、という意見がありますが、これは間違いです。同構想に示されるアメリカの意図は、核軍事力の優位を保持するため、核拡散に通じる「再処理」を規制する「再処理封じ」なのです。一方、ヨーロッパでは、フランスが原子力を主要なエネルギー源とすることを一応堅持する姿勢を保持しているだけで、全体としては、CO2削減に極めて積極的で、原発に頼らず、化石燃料、バイオ燃料をエネルギー供給の中心に置き、再生可能なエネルギー、省エネ技術、環境保全技術等の開発を進めています。特に、ドイツ、デンマーク、スウェーデンは、ヨーロッパの脱原発志向国の先端を走っており、エネルギー需給の抑制と再生可能なエネルギーの組み合わせで、原子力エネルギーに依存しないエネルギー政策を具体的施策として、推進しています。
また、BRICs諸国は、経済成長のテンポを緩めないために、成長の推進力であるエネルギー源の獲得に心血を注いでおり、化石燃料は勿論のこと、輸入を含め、原発の増開発にことのほか熱心です。しかし、地球環境問題がグローバルに緊急の政治課題となった事態への対処として、また、経済の高度成長に伴う看過できないレベルに来ている自国の環境破壊に対応せざるを得ないこともあり、CO2の削減への取組、環境保全技術、省エネ技術、再生可能なエネルギー等の開発に取り組まざるを得なくなっています。

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原発はCO2排出しないというのは本当ですか?

「原発は二酸化炭素を出さない」ので地球温暖化対策に役立つという議論が華やかです。これは明らかに間違いです。施設の建設、原発が稼動するまでに必要な燃料製造などの建物類の建設類に要する電気は、原発が作り出したものではありません。また、燃料のウランを鉱山から採掘し、燃料に加工するまで、さらに、後始末に多くの石油が必要です。また、原発はフル出力で動かすか運転を止めるかしかなく、出力調整が出来ません。電力の需要は刻一刻変化するので、供給量の調整の効かない原発に代わり、火力と水力での発電に頼ります。従って、原発を増やすと、同時に、調整のため、火力と水力の発電を増やすことになるのです。石油や石炭の使用、これら化石燃料を燃料とする水力と火力の発電所を動かすと、CO2を出しますから、原発が二酸化炭素の発生を減らすことはなく、逆に、結果として増やすのです。

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