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掲載日:2014年12月11日

小田原市の林業振興担当課長を招き学習会を開催
森林資源を循環させる“地域型”のしくみづくり
パルシステム連合会は12月5日(金)、パルシステム連合会・東新宿本部で「森林・林業学習会」を開催しました。神奈川県小田原市の林業振興担当課長・東正明さんを招き、自然環境に恵まれた先進的な森の資源活用について学びました。

■小田原市に学ぶ森の活用

34名が学びました

 パルシステム連合会では2012年、日本の森林資源の保全と持続可能な森づくりに貢献していくことなどを目的に「森林・林業方針」を制定しました。これに基づき、2014年に山梨県の南都留森林組合、島根県高津川流域で活動する森林組合、農協、漁協、行政の6団体とそれぞれ産直協定を締結し、産出する木材を使用した商品の開発や交流活動を進めています。

 森林・林業学習会は、パルシステムグループの役職員など34名が参加して開催しました。神奈川県小田原市の林業振興担当課長・東正明さんを招き、同市の森林資源活用の事例や、木育など多岐にわたる活動について学びました。


■地域内で「作って使うまで」をサイクル化

小田原市の東さん(左)、林青会の小高さん

 日本の国土は、およそ7割を森林が占め、森林率は世界第3位の「森林大国」です。豊富な森林資源を活用するため、政府も国産木材の利用促進を進めています。山・川・里・海がある自然豊かな小田原市は、市域面積の4割が森林であり、寄木細工や木象嵌(もくぞうがん)※などむかしから木工細工が盛んな地域でもあります。
※種々の天然木材を用いて絵画や図柄を表現する木画技術

 近年は、間伐しても木が搬出されないなど、林業が衰退傾向にあります。東さんは「3年前に地域型の流通システムの構築を目指し、行政や民間団体、林業関係者などが参加し『おだわら森林・林業・木材産業再生協議会』を発足させました。森林をつくる、木を加工する、木を使うというサイクルを地域で完結させる取り組みです」と話しました。

 2013年にはおだわら木材流通センターを開設。間伐など森林を整備する小田原市森林組合と、木材の加工・流通を担う小田原地区木材業協同組合が共同し、森林整備から木材利用までの流通連携を進めています。また、小田原林青会会長の小高誠仁さんからは、行政と地元の製材業者からなる林青会が協力し、赤ちゃん用おもちゃの製作や、伐採・植樹体験や学習など、木に触れ、木とともに生きることを学ぶ「木育」に力を注いでいることが語られました。

 会場には、間伐した森と、そうではない森を比較できるキットが持ち込まれ、じょうろで水を流し込み土壌などの変化を見る実験を行ないました。間伐した森の土には水が染みこみ、土中から透明な水が排出される一方、間伐していない森からは茶色い水が地表に溢れ出ました。「間伐していない森は下草が育たないため、豪雨になると水が染みこまず、地滑りを起こしてしまうのです」と、間伐の重要性を強調しました。

■木を使う側である消費者とともに

 小田原市では、地域材を活用して、公共施設「いこいの森」のバンガローやウッドデッキの設置、地元の主要産業であるかまぼこ板の製作などにも取り組んでいます。この日は、かまぼこ板のつみきや小田原市役所の総合案内カウンターをデザインした伊藤陽子さんも参加し、木をくらしに取り入れることで人もその場の雰囲気も明るくなる事例や感想を紹介しました。なお、かまぼこ板のつみき製作費の一部には、パルシステム連合会の地域づくり基金(2013年度)の助成金が活用されています。

 東さんは「地元の林業関係者の言葉ですが、私も『先人からの思いを受け継ぎ、箱根駅伝の5区を走っている気持ち』でいます。たすきを次につなげられるよう、木を使う側である消費者と意見交換しながら一緒に取り組んでいきたいです」と、パルシステムとの連携を期待しました。


間伐した森(右)、していない森のキット

じょうろで「雨」を降らせて変化を見ました


間伐していない森からは泥水が(左)

色鮮やかな「かまぼこつみき」





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