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掲載日:2013年10月1日

「暮らしの中からの反対を。「ひとりひとりができる行動」の実現に向けて」を開催
TPPは貧困を生む!日韓が連帯して生きる権利を守ろう!
パルシステム連合会は9月28日(土)、東京・千代田区の全電通ホールで「暮らしの中からのTPP反対を。」を「TPPに反対する人々の運動」と共催しました。160名が参加し、辛淑玉(シン・スゴ)さんの基調講演や、日韓両国の消費、農業の立場について報告やパネル討論などを行い「ひとりひとりができる行動」について考えました。

「暮らしの中からの反対を。」参加者が真剣に聞き入った会場

■くらしが壊れてしまうTPP参加

 TPP(環太平洋連携協定)は、工業製品や農産品、金融サービスなど加盟国の間で取引される品目にかかる関税や制度の格差を完全に撤廃しようとする多国間の協定です。社会の基盤、国の制度までを大きく変える危険性を持っています。十分な説明や議論がないまま、年内の妥結に向けて首席交渉官会合が重ねられており、くらしに影響が出ることが懸念されています。

 農と食をつなぐ産直に長年取り組んできたパルシステムでは、TPPは食の安全性確保や国内農林水産業など、くらしや地域社会全体が崩壊する可能性が高いと考え、交渉参加に反対してきました。しかし政府は、3月15日にTPP交渉への正式参加表明をし、今現在も各国との交渉が続いています。 パルシステムではTPP交渉に反対2012年4月に『TPPへの参加に反対し、日本の「農林水産業」の再生を求める署名』5万5,948筆を内閣総理大臣へ提出、7月にはTPP政府対策本部に対し「TPP(環太平洋パートナーシップ協定)交渉に関する意見」を提出しています。


■TPP交渉に関心をもつ160名が参加しました

 パルシステム連合会は9月28日(土)、東京・千代田区の全電通ホールで「TPPに反対する人々の運動」と共に「暮らしの中からのTPP反対を。」を開催し、160名が参加しました。開会にあたり、進行役のパルシステム東京理事長 野々山理恵子さんより、今日はひとりひとりができる行動について考えていきましょう、と宣言がなされ、辛淑玉(シン・スゴ)さんの基調講演や、日韓両国の消費、農業の立場について報告やパネル討論などを行いました。


TPPによる急な経済成長は、貧困を生む(辛淑玉さん)

■急な経済発展は貧困を生む

 人材育成技術研究所の所長 辛淑玉(シン・スゴ)さんより、「TPPが引き起こす弱者へのしわ寄せ」という題目で基調講演がなされました。ご自身の体験を交え「貧乏人はまた貧乏人になる。貧乏になると戻れなくなる」と訴え、ネットで話題となっている「バイトテロ」は“憎しみ”が引き起こしている。それは、社会上昇を望めない、生活が組み立てられないという思いが反社会的行動につながっている。その憎しみはヘイトスピーチにもつながっている、と指摘しました。

 また TPPと同じ自由貿易協定であるNAFTA(北米自由貿易協定)では、GDPは上がったものの、その反動で児童労働や人身売買が増えたことに触れ、TPPにおいても急な経済発展の裏では必ず貧困が生まれるなど弱者へのしわ寄せがくると訴えました。「ゆっくりといいものを少しだけ分かち合いながらくらしていくこと」が大切ではないか、と会場に提言しました。


■生協の取り組みで食の植民地化をくいとめる

 TPPに反対する人々の運動の共同代表菅野芳秀さんより、「TPPとの対抗軸としての地域循環構想」と題し、山形県長井市でとりくむ農を基本とした循環型社会づくり「レインボープラン」について報告がなされ、グローバリズムにローカルをもって戦っていく、と宣言されました。

 またTPPによる影響が一番大きいのが農業と言われていることに触れ、農業を守ることは、生きる権利を守ることであり、これを守れないということは国の自立・尊厳の問題に関わる。今の局面をどう乗り越えていくのか実例をつくりながら対峙していかなくてはならない。生協や関係団体の取り組みを通じて食の植民地化を食い止めていかなくてはならない、と強く訴えました。


■韓国TPP交渉への参加は、農業に大打撃

 韓国・ハンサリム連合専務理事の超完衡(チョウ・ワンヨン)さんは、「米韓FTAは韓国の農業と経済に何をもたらしたか」と題し、米韓FTAはアメリカの制度を押し付けるもので、バラ色になるものではなかったと報告がなされました。

 韓国では米韓FTAが発動後、輸出増加率が10ポイント下落し、牛肉の価格が下落している。今後も価格が下落する品目は拡大していくと予測されている。また輸入食材が増え、韓国の国民は食品の安全性について70%が懸念を示している(国民意識調査結果2012)。現在、韓国においても10月末までにTPP交渉への参加判断がされるとの報道がされており、農業への打撃が大きいのではないかと憂慮していると報告がなされました。


■米韓FTA 農産地は、どこかが潰れることでどこかが生き残れる

TPPをめぐる各団体よりの報告をするシンポジジスト(左から、菅野芳秀さん、超完衡さん、孔賢貞さん)

 韓国女性農民会の孔賢貞(コン・ヒョンジョン)さんは、韓国の女性農民の立場から「村を覆う自由貿易の大波とたたかう韓国女性農民」と題し、報告がなされました。

 これから締結される中韓FTAについて恐怖のどん底に陥るのではないかとの不安が示された。また米韓FTAにより価格が下落した唐辛子を例に、気象条件が悪かったとして政府はFTAが原因とは認めていない。韓国では、輸入食品の拡大による価格下落や飼料の高騰によって農産地が潰れている。潰れる農産地があって別の農産地がようやく生き残れる状況になってきている。政府は大規模化すれば、輸入品に対抗できるというが、大規模化するためのシステム開発費用さえまかなえる状況ではない。韓国は今、危機的状況に陥っているのだ、と報告がなされました。


■日本・韓国の人々が連帯して生きる権利を守る運動を

 閉会にあたり、TPPに反対する人々の運動 大野和興さんより、TPPは国益と相反する平和、穏やかなくらしという生きる権利を阻害するものだと改めて実感した。このシンポジウムは、自ら生きる権利を作り出す運動にどう取り組んでいくのか、そのきっかけとなった。日本・韓国の人々の連帯運動が新たな運動に入った。生きる権利を守るために一緒に戦っていきたい、と締めくくりました。





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