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掲載日:2012年11月12日

パルシステム協力会第23期秋の講演会を開催
「3.11」を通して改めて考えるそれぞれの役割とは
パルシステム協力会は11月6日(火)、さいたま市・大宮区のパレスホテル大宮にて「第23期秋の講演会」を開催しました。協力会会員を中心に316名が出席し、3つの講演を通して、震災を忘れずにいることの必要性や、自分たちの役割について考えました。

■協力会の会員316名が参加しました

会場の様子

 パルシステム協力会(※)は11月6日(火)、さいたま市・大宮区のパレスホテル大宮にて「第23期秋の講演会」を開催し、株式会社高橋徳治商店の高橋代表取締役、株式会社花兄園の大須賀代表取締役、パルシステム連合会の山本伸司理事長の3人が講演しました。パルシステム協力会に加入する企業やメーカー関係者とパルシステムグループの生協役職員など316名が参加しました。

 パルシステム協力会の会長、共生食品株式会社の三澤代表取締役は、開会にあたり「たった1年8ヶ月しか経っていないのに、震災は我々の記憶からだんだんと薄れてきてしまっています。実際に現地に行くことはできなくても、現場の状況はきちんと共有していかなければいけません」と挨拶しました。


■豊かな食と農を育むための最大の課題

パルシステム連合会の山本理事長

 パルシステム連合会の山本伸司理事長は「時代の転換期と協同事業の報告」という題目で講演しました。理念やビジョンなど改めてパルシステムという組織について説明した後、被災地支援、放射能対策について報告しました。

 また現代の日本の最大の問題は「食の荒廃」であると指摘し「どうしたら豊かな食と農を育むことができるのか、この問題解決こそパルシステムグループがみなさんとともに取り組む最大の課題」と述べました。さらに「消費者と生産者は交流し学び合い、価値を深めていくべきです」と食づくりにおける教育の大切さについても触れました。


■3.11を原点に生きていく

高橋徳治商店の高橋社長

 続いて、宮城県石巻市で水産魚介加工品の製造販売を行っている、株式会社高橋徳治商店の高橋英雄社長は、講演「3.11は、被災した私達に代わり何を語って欲しいのか?」の中で、被災地の被害状況、被災者の様子などを伝えました。

 高橋徳治商店の被害総額は24億円規模にもおよびましたが、「被害規模や額は問題ではありません。今回の震災で問題なのは、放射能そして人の命が失われたことです」と高橋氏は述べました。

 いまだに仮設住宅では、引きこもり、自殺、孤独死、非行といった社会的問題が起き、DVにいたっては石巻で4割も増えたそうです。高橋氏は「忘れないでください」「支援というのは、継続なんです」「何のためにここに来るのか」「本当に大切なものはなんだろう」など、伝えきれない想いを言葉にこめて強く訴え、問いかけました。

 さらに「もし生協が社会的役割を示すのであれば、食と農を通して、どんな加工品であろうとも生産者とともにこの世の中にちょっとでも灯をつけて欲しい」と希望を投げかけました。

 最後には、宮城、福島、山形、岩手の方言「マディに」という言葉を用いメッセージを伝えました。これは「両の手を添えるように、心を込めて、相手のことを想い、ていねいに使う言葉」です。「自分のこれからの生き方を、自分の原点である震災というフィルターをとおして、継続的にやっていきたい。皆さんと色々な接点ができれば、今日ここに私が来た甲斐があると思います。皆さん自身が、それぞれの3.11を原点に、マディに生きて欲しい」


■再建を支える「完全無薬飼育」というこだわり

株式会社花兄園の大須賀社長

 最後に、株式会社花兄園の大須賀木社長は「花兄園の震災から復興への取り組みについて」を講演しました。鶏卵、鶏肉、加工品、飼料などの販売をしている花兄園は、岩手県、宮城県、福島県に農場を持っていますが、地震、津波、原発のいずれの被害も受けました。9万羽の規模であった山船越農場は3分の2が全半壊し鶏が圧死しました。石巻湾にあった農場は、津波で地上のものはすべて流され土台だけが残るという状態でした。そして放射線量の数値が非常に高い地域にあった大熊農場では、原発事故から7か月半経ってようやく現場を訪れることができたため、飼育していた12万羽の鶏がすべて餓死していました。

 また、停電によりモーターが使えず井戸から水をくめなくなり、鶏が水を飲めないため産卵ができなくなってしまいました。そのため生産が完全にゼロになるという状況に追い込まれましたが、「パルシステムが『生産が再開したら以前と同じように引き取りますよ』と約束したことが、励みになりました」と述べました。

 現在は東京電力との賠償交渉が進展していない状況ですが、大須賀氏は今後の復興計画について「個人的に再建したいだけでなく、うちは日本でも唯一に近い完全無薬でやっているので、完全無薬飼育の育成を実現し、そういう生産体制を整えていきたいです」「安全・安心なだけでなく本当においしいもの、価値に見合う価格の製品をつくっていきたいです」と力強く理想の未来を語りました。

※パルシステム協力会
1990年に発足し、現在はパルシステムグループの取引先314会員で構成されています。会の中には「組合員交流委員会」、「物流部会」、「環境部会」、「品質管理部会」、「異業種交流部会」の1委員会4部会が設置され、組合員から安心して利用される商品づくりや業務品質の向上に努めています。





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