商品づくりの考え方

「7つの約束」

パルシステムの商品は、単なる「モノ」ではありません。「食」と「農」をつなぎ、いのちの力があふれる社会を、次の世代にきちんと手渡したい。その思いを込めてパルシステムは、次の「7つの約束」の実現をめざして商品づくりを進めます。

  1. 作り手と「顔の見える関係」を築き、信頼から生み出された商品をお届けします。

    食べる人を思って作る食材には、自然と「その人のために」の気持ちが込められるもの。食品への信頼をゆるがすできごとが絶えない時代だからこそ、顔の見える関係を大切にし、互いが信頼できる関係を築きます。

  2. 食の基盤となる農を守るためにも国産を優先します。

    いのちの源となる食の生産を輸入に頼り、自給率低迷から抜け出せない日本。農業の先行きが不安視されるなか、産地や生産者と連携し、国産原料や国内工場を優先。地域を守り、「食料自給力」の向上をめざします。

  3. 環境に配慮し、持続できる食生産のあり方を追求します。

    効率を重視し、大量に生産、消費、廃棄する食生産は、エネルギーの浪費と環境への負荷を生み続けます。だからこそ、農産物の農薬削減や容器包装のリユース・リサイクルなど、資源循環型のしくみを追求します。

  4. 化学調味料不使用で、豊かな味覚を育みます。

    化学調味料の強いうまみに慣れると、素材の繊細な味わいを感じる力が損なわれるといわれます。豊かな味覚を育み、子どもたちに「ほんもの」を伝えるため、化学調味料を使わず素材本来のおいしさを生かします。

  5. 遺伝子組換えに「NO!」と言います。

    世界中にあふれる遺伝子組換え食品は、気づかぬうちに口にしているのが現状。一部の多国籍企業による種子の独占が懸念され、安全性や自然界への影響も危惧されるなか、「遺伝子組換えにNO !」と言います。

    遺伝子組換え作物および食品に対する方針

  6. 厳選した素材を使い、添加物にはできるだけ頼りません。

    食品添加物の独自基準を設け、仮に使用を認める物質でも、できるだけ使用しない、使用を減らすなど厳しく運用。安易に食品添加物に頼らず、素材を吟味し、できるだけ本来の作り方に沿った製造法をとります。

  7. 組合員の声を反映させた商品づくりを大切にします。

    食べておいしい、あってよかった、と思われる商品づくりには、使う人のくらしの視点や声が欠かせません。組合員が関わる活動や、寄せられた声を通して組合員の思いを受け止め、商品開発や改善に生かします。

    組合員が開発・改善に協力した商品

生活用品への「6つの想い」

パルシステムが考える確かな品質の商品で、組合員の心地よいくらしを応援します。単なる消費ではなく、商品の「ものがたり」を伝え、心豊かなくらしと共生の社会の実現をめざしたい。「6つの想い」を大切にして、商品づくりを進めます。

  1. 商品の成分や材質の基準を設けて、安心で安全な商品をお届けします。

    パルシステムの生活用品は、独自の「家庭用品取扱基準」をクリアした商品をお届けしています。初めて取り扱う商品は、「生活用品事前点検」や「化粧品検討委員会」などを実施し、実物を見ながら成分や材質、使用感などをチェックしています。

  2. 森林を育み、「森」「川」「海」の環境を守り、石けん運動を広めます。

    森林・林業方針」を設けて、豊かな森を守る活動を行うとともに、環境や生態系に負担の少ない石けんを推奨し、川や海に流れる水の循環を大切にします。

  3. 再生原料の利用を推進し、限りある資源を有効に活用します。

    パルシステムオリジナルのトイレットペーパーやティシュペーパーはすべて再生紙100%。組合員から回収した商品カタログや注文用紙、紙パックやABパックを再利用する独自のしくみをつくっています。

  4. 文化や技の継承・発展、国産のものづくりを応援します。

    安価な輸入品の影響や職人の高齢化など、国内のものづくりの現場は、明るい話題だけではありません。そのなかで、伝統的な技を引き継ぎ、広めていくために、技術を磨き続ける国産のものづくりを応援し、地域の活性化にも貢献します。

  5. 「もの」を長く使い続ける良さを伝えます。

    ものがたくさんあふれる時代だからこそ、使い捨てではなく、長く使い続けたいと思える「もの」と出合う機会をつくり、愛着をもって長く使い続けるくらし方を提案します。

  6. 組合員の声を反映させた商品づくりを大切にします。

    組合員の声はパルシステムの商品づくりの原点。みなさんの「あったらいいな」にこたえるべく、組合員開発協力商品に取り組んでいます。

パルシステムは
常にここに立ち返ります
「商品づくりの基本」

パルシステムの商品はどれも、産直産地や生産者、組合員とともに歩み、挑戦してきた歴史や物語を持っています。その長い道のりで、パルシステムが常に指針としてきたのが、「商品づくりの基本」です。

  1. 自然や生き物の「本来の姿」を尊重しているか

    食はいのちの塊。土、大気、水など自然や動植物の生態系とのバランスを保ちながら、次世代までつなぐことのできる食生産のしくみ、方法を追求します。

    取り組み例)
    • 遺伝子組換え作物にNO!の立場を貫きます。
    • 抗生物質に頼らない畜産を実施します。
    • パルシステム独自の取り組みの「農薬削減プログラム」を推進します。
    • 環境に負荷をかけないリサイクル、リユースを積極的に行います。
    • 生き物を育む田んぼの状態を調査して、未来につながる農業をめざします。
  2. 地域に根ざした食生産やくらしに貢献しているか

    経済主導のグローバリズムに対抗し、地域の農業やくらし、文化を次世代につないでいくことをめざします。

    取り組み例)
    • 「産直」で「食べる側」と、「つくる側」双方の共存をめざします。
    • 組合員と生産者の産地交流を積極的に行います。
    • 国内で生産できない農作物を中心に、国際産直・フェアトレードをしています。
    • 豚の肥育を行う飼料の一部を、輸入穀物から産直産地で栽培した飼料用の米に切り替えるなど、飼料自給率を高めています。
  3. 「作り手」との関係に、甘えや惰性、妥協はないか

    誰が、どのように生産したか、どのように加工され、どういうルートで食卓まで届けられるのかを確かめる、トレーサビリティーのしくみを構築。生産過程の記録や情報の管理を徹底します。

    取り組み例)
    • 生産者と組合員が主体となって行う、独自の監査システム「公開確認会」を定期的に開催しています。
    • パルシステム独自の「商品検査センター」で、放射能検査、微生物検査、理化学検査を実施しています。
  4. 食べて「おいしい」、あって「よかった」を届けているか

    「本来の味」がわかる豊かな味覚を育み、健康なくらしに貢献するため、素材を厳選し、素材のもつ自然のうまみ、味わいをできるだけ引き出した商品づくりをめざします。また、商品づくりに組合員が参加し、納得できる味、品質を追求していきます。

    取り組み例)
    • パルシステム独自の「食品添加物使用規程」による、食の安全への厳しい基準を守っています。
    • 組合員が主体となった商品開発、改善などに取り組みます。体験型食育を実践しています。
    • 産地交流での農業体験、カタログでの情報提供、各地域で「食育クッキング」などを実施。食をより楽しむための情報を、組合員のみなさんにお届けします。
  5. 商品の裏側をきちんと伝えようとしているか

    一人ひとりの「選択(=購買行動)」は、企業や業界、社会を動かす大きな力。モノ作りの裏側にある人や地域、物語を伝え、「買うことの価値(=社会への投票)」を実感できる場づくりを重視しています。

    取り組み例)
    • 単なる「モノを売る」場にしない、情報発信型カタログをお届けします。
    • 青果に作り手の思いを伝える産地カードを同封しています。
    • 商品の原材料やその原材料の原産地表示を、積極的に行っています。
    • 「アレルゲン」や「遺伝子組換え」などの情報は、できる限り表示します。